星河の覇皇
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第八十三部第四章 戦線崩壊その四十
「ではだ」
「ここは、ですね」
「施設の占領にかかりますね」
「その様にされますね」
「この度は」
「そうする、そしてだ」
そのうえでというのだ。
「いいな」
「はい、それでは」
「施設を占領していきましょう」
「今は」
「それを進めていきましょう」
「そうする、無駄な追撃は行わずな」
こう言ってだった、アッディーンは今は防衛施設の占領を優先させた。その指示を出してからであった。
彼はあの艦についてこう報を聞いた、その報はというと。
「もう魚雷はか」
「ほぼ全ての艦がです」
「使いきったとのことです」
「それもわりかし速い段階で」
「そうなっていたそうです」
「元々魚雷だけ搭載していてだ」
そしてとだ、アッディーンは述べた。
「他の兵器は搭載していない、そしてだ」
「隠密性を重視していて」
「それが為にですね」
「実はあの艦は、ですね」
「その魚雷の搭載数も少ないです」
「駆逐艦と比べても全く」
「だからだ」
それ故にというのだ。
「この度戦闘中にだ」
「ほぼ全ての艦艇が、ですね」
「魚雷を使い切ったことも」
「そのこともですね」
「当然のことですね」
「そうだ」
まさにというのだ。
「だから特にだ」
「驚かれてはいないですね」
「閣下としては」
「左様ですね」
「今回も充分働いてくれた」
だからだというのだ。
「この度のことは戦訓にするが」
「今後のですね」
「あの艦の改善点ですね」
「武器の搭載容量の少なさ」
「それをどうするのか」
「それを考えていくが」
それでもというのだ。
「あの艦艇は今はティムール軍を惑わしているが」
「その実は、ですね」
「足は遅く」
「しかも装甲もない」
「尚且つ武器も魚雷だけ」
「その搭載数も少ない」
「そうした艦ですね」
「強い艦ではない」
決して、というのだ。
「むしろ発見されるとだ」
「最弱ですね」
「いとも簡単に沈めることが出来ます」
「そして沈めることが出来ます」
「そう考えますと」
「最弱ですね」
「まさにな」
そう言っていいまでだというのだ。
「あの艦艇はな」
「左様ですね」
「では、ですね」
「この度は、ですね」
「ゆっくりと休んでもらいますね」
「あの艦の分艦隊の将兵達には」
「ゆっくりとですね」
「そうしてもらう、では今はだ」
アッディーンはまた話した。
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