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【魔法少女リリカルなのは】魔導師を辞めた高町家の男

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第三話 平穏って素晴らしい!!そう思わないか?

 
前書き
平穏ってすばr(ry by隼人

平(ry by作者

俺だけ、酷くね?

兎に角、始まります。 

 
 無事になのはが5歳になった。我が娘のように育ててきた甲斐がある。
 
 最近では、近所のお友達と公園で良く遊んでいるのを見かける。
 みんなに優しく笑顔を絶やさない女の子に育ってくれてありがとう。

 思わず、感謝の気持ちをなのはに言ってしまう。

 今でも楽しそうにお友達と鬼ごっこをしているらしい。
 なのはが鬼で他のみんなは逃げているようだ。

 なのはは必死に追いかけているが中々追いつけずにずっと鬼のままだった……。
 
 どうやらなのはは運動が苦手なタイプになってしまったようだ。残念。


「ほら、帰るよ~」


 ご近所の奥さんが子供たちを集めて帰宅していく。

 まぁ、もう夕方だし俺たちも帰ろう。


「なのは~、帰るぞ~」


 なのはに聞こえるように大声を出す。
 なのははすぐに此方に気付き、大急ぎで向かってくる。


「やっべ……」


 俺は、慌ててなのはに近づいて行く。
 理由は簡単、良く転ぶ女の子だからな。


「わわっ!?」


 言わんこっちゃない。

 予想通りに転んでくれたなのはを優しく受け止める。
 ビックリしたらしく、少しだけ震えている。


「ほら、大丈夫大丈夫。行くよ、なのは」


 なのはの頭を撫でて、一度抱き上げて地面に立たせる。


「むぅ……だっこ!!」


 甘えん坊だな、こいつ。どこで育て方を間違えたんだ?
 
 決して、甘やかしすぎるなんて事はしていない。
 元からこういう性格なのだろうか?


「だぁめ。自分で歩く」

「やぁだ!」

「だぁぁぁめぇぇぇ」

「やぁぁぁだぁぁぁ」

「こいつ~!」


 なのはの柔らかいほっぺをクリクリする。
 以外にこういう事をするとなのはは大抵の事は忘れて、嬉しそうにしてくれる。


「きゃはは!くすぐったい!」


 ある程度やると、立ち上がりなのはに手を差し出す。
 手を繋いで帰るのは当たり前だろう。


「流石にもう遅い。続きは家に帰ってからだ」

「わかったのー!」


 手を繋ぎながらなのはは歌を歌いだし、我が自慢の歌姫の歌を聞きながら帰路に就いた。


「そうだ!ねぇ、パパ!アイス買って!」

「ん?アイスか……。家にこの前買ったやつがあるからそれを食べな」

「んー……今たべたい!」

「今食べたら晩御飯食べれなくなるぞ?」

「むぅ、わかった……我慢なの」

「良い子だ」


 最後になのはの頭を撫でて、駄菓子屋さんの前を通過して家に帰る。
 その時のなのはがアイスを我慢する時の顔が面白かった。

 
 家に帰って来ると、すぐに晩御飯の支度をする。
 
 なのはも、ちゃんとした料理を食べれるようになり、俺手作りの御飯を美味しそうに食べてくれる。

 
「ぱぁぱ、まだ~?」

「もうちょい」

 
 料理中になのはは二階の台所まで来て、俺の隣でいつも同じ言葉を発する。
 
 ごはん、まだ~?

 もうこれは、口癖の一つにでもなってるんじゃないか?
 嫌な癖がついたな。大人になるまでに治ってくれてると嬉しい。

 野菜を切り、炒め、皿に盛り、テーブルに持っていき、味噌汁を入れ、白いごはんを入れて、次々にテーブルへと持っていく。

 
「ほら、なのははお箸を持っていって」

「はぁい♪」


 もうすぐ食べられるからって楽しそうに手伝いをしてくれる。
 
 危ない物は俺が運び、大丈夫な物はなのはに運んで貰っているので手間があまり掛らない。
 これも、良い子に育ってくれたなのはに感謝だ。

 テーブルに並んだ今日の晩御飯を前に椅子に座っているなのはの隣の椅子に座り、合掌。


「いただきます!」

「いっただっきまーす!」


 ガツガツとまではいかないが、美味しそうにおかずを取っては食べていくなのはを横で見つめながら、俺も腹を満たしていく。

 ほっぺにご飯粒を付けながらも食べているなのはを見ていると自然に微笑んでしまう。

 まぁ、行儀が悪いからご飯粒は取る。


「ご飯粒付いてるぞ」


 そう言ってなのはのほっぺに手を伸ばし、ご飯粒を取り口へ放り込む。


「へへ、ありがとうなの」

「どう致しまして」


 数分して、全部食べ終わったら食器を二人で台所に持っていき、俺が全部綺麗に洗う。

 なのはは、先程あげると言ったアイスを食べながらテレビでアニメを見ている。










 なのはと風呂に入って、なのはをパジャマに着替えさせてリビングのソファで俺の膝の上を占領したなのはと一緒にテレビを観ている。
 中々面白い番組でなのはも俺もさっきから笑いっぱなしだ。

 
 prrrrrrr


 と、家の電話が鳴った。
 なのはを膝の上から持ち上げて退かし、電話の下へと行く。

 受話器を取る。


「もすもすぃ?」


 ふざけているように見えてるだろう?

 当たり前だ、ふざけてるのだからな。


「一々イラつくわ、それ」

「それは褒め言葉だ、桃子姉ぇ」


 電話の相手は桃子姉ぇだ。
 今は何処にいるのかは知らないが、偶にこうやって電話をかけてくる事がある。

 今回は半年ぶりだな。


「で、そっちの方は良い旅を満喫中?」

「えぇ、車を猛スピードで走らせたり、鉛玉が飛んでくるアトラクション付きよ、やる?」

「それは面白そうだな。是非、やってみたいものだ」


 危ない事やってるんだなぁ。
 まぁ、向こうには士郎さんがいるし、頼りになる子供が二人いるしな、大丈夫だろうな。
 

「そっちの方は順調?なのは、風邪とかなってない?」

「大丈夫だ、問題ない。なのはなら、今テレビの前で爆笑中だ」

「そりゃ、よかった」


 何だか、なのはの話になると暗くなるなこの人。
 なのはの声でも聞かせてやるか。

 なのはの方にサインを出して、こっちに来るように手招きする。
 それに気付いたなのはは、?を付けながらやって来る。


「パパどうしたの?」


 良い感じに電話の相手にも聞こえるようになのはが喋ってくれた。


「っ!?……なのはの声?」

「当たり前だ、それ以外の声なら、危ない人になってるわ」

「あぁ、もっと聞きたいわ」


 その願い、確かに受け取った!!

 受話器を抑えて、相手に話が聞こえないようになのはに耳打ちする。

「なのは、俺の話し相手は叔母さんなんだ。だから、なのはも叔母さんに挨拶して」

「わかったの♪」


 嬉しそうに返事をしたなのはに受話器を向ける。


「おばさん!こんばんわ!」

「ブハァッ!?」


 なのはが挨拶した瞬間、血を吐きだした様な音が聞こえた。


「ふぇ!?ぱ、パパ!メイディック!」

「了解!衛生兵!電話の向こうに負傷者だ!!」


 そう言ってから、なのはにありがとうと言ってリビングに帰らせると、受話器を耳に当てる。


「大丈夫か軍曹?傷口は浅い筈だ」

「……えぇ、でもね、心の傷はだいぶ深いわ」

「そりゃ、大変だ。実の娘にそれもまだ5歳の女の子におばさんって言われるのは、ねぇ」

「隼人、こっちに来い」

「場所教えてくれたら行く」

「地獄だわ……覚えてなさい、必ずこの借りは返すわ」

「それって、いつも言うよね。何?口癖になった?」

「そうかも知れないわね。でも、必ず!」


 いやぁ、怖い怖い。
 銃の弾とかすっごい飛んできそう。

 マジでやばかったらプロテクション使おう……。


「そろそろ時間だわ。じゃ、切るわね」

「おう、またな桃子姉ぇ」

「なのはを頼むわね」


 そう言って、通話が切れる。

 てか、マジで忙しそうだな向こう。
 本当に大丈夫かコレ?

 まぁ、気にしたら負けって事で何も考えなくて良いか。

 テクテクと歩いてリビングに戻って来るとなのはが飛びついて来た。


「おばさん、大丈夫だった?」

「大丈夫さ!あれは愛が耳から口へと漏れただけだからな!」


 親指をグッと立てて、笑顔でそう答える。
 いや、だいたいはこれで合ってると思うしな。

 視界の隅に写った時計を見ると、九時を過ぎていた。
 良い子は寝る時間だ。


「ほら、なのはももう寝る時間だろ?」

「えぇ、もう寝るのぉ~?」

「早く寝ると将来美人になるって言ったろ?」

「……わかったの、パパと一緒に寝る!」

「そう来ましたか、俺は明日の店の準備が……」

「いつもみたいに朝にやれば?」

「それは、毎日なのはと一緒に寝かされてるからだよ……?」

「ぐずぐず言わない。男なら黙ってやる!」


 手を引っ張られて、俺の部屋のベットに無理やり寝かされる。
 なのはは、俺の腕を枕にして眠りに就いた。
 てか、テレビに影響されてる!?

 しばらくの間はこうしといて、時間が経てば、一階に下りて明日の準備をしないと……。

 朝にやると、開店ギリギリまでやる事になるからな……。
 今のうちに準備しといて、朝になったらケーキを作る方が楽ですぐに終わるからな。





「おやすみ、なのは」
















 隼人が居なくなった後で一人で眠るなのは。


「むにゃ……パパだ~いすき♪」


 笑顔で幸せな夢を見ているなのはの姿があった……。



 
 

 
後書き
お読みいただき、ありがとうございました。

平穏っていいね。 
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