ソードアート・オンライン 守り抜く双・大剣士
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第50話 =神殿地下=
前書き
祝!!50話!!
カツン、カツンといくつもの音が同じようなリズムで鳴り響いている。俺たちはいま、ここ第1層にある地下ダンジョンにシンカー救出のためもぐりこんでいる。
あのボコボコにされた《軍》の懲罰隊が教会に怒鳴りこんでくるかも…と心配したたこの作戦には俺、キリト、ユリエールさんで行く予定だったがユイが意地をはって行きたいと駄々をこねたり、サーシャさんが「ここは私がしっかりと守りますから」と言い張り、全員で行くこととなった。
一応ユイには血盟騎士団からぶんどっ……ありがたく頂いた転移結晶を持たせてあるが使い方判るのか?
「ユイ、わかるよ?」
「じゃあ問題、さっき俺たちがいた街の名前わかるか?」
これが判らなければ結晶なんてあってないようなものだ。誰にも教えられてないはずなので時間がかかるかと思ったらすぐに口を開き「はじまりの街!」と元気に答えてくれた。正解したのでくしゃくしゃと頭を撫でる。ユリエールさんたちと話していて知ったけれどどうやらこのダンジョン、ベータテスターの頂点に君臨していたキリトが驚いた様子で言っていたがどうやらベータテストの時には存在していなかったらしい。推測では攻略の進み具合で開放されるタイプのダンジョンだとかなんとか。それをキバオウたちは独占しようとしたらしいのだがモンスターが強いらしく撤退を余儀なくされそのせいでクリスタルを大量に使い大赤字だったとか。
絶対に「なんでや!」とかいってそうだな、あの人。
「でも今はそれが面倒なことになってるのよね…」
「えぇ…。キバオウの使った回廊結晶はモンスターから逃げ回りながら相当奥まで入り込んだ場所らしく…。シンカーがいるのはそのマーク地点の先なのです。レベル的には1対1なら私でも大丈夫なのですが連戦となると………失礼ですが、皆さんは…」
キリトは完璧に90超えてるしアスナも同じくらいだと思う。俺も90ジャストだし他のみんなもレベル差は4、5くらいでここのレベルは約60層、安全マージンは70。2人を守りながらなら人数的にも十分、有り余るくらいだ。
「チョロ甘だね」
「……なんなの、その『チョロ甘』って」
まさかリズに聞かれるとは思わなかった…。別に言わなくても言いことなんだけど俺の何かが反応し口を開いてしまった。
「テイルズの戦闘後に出る掛け合いでキャラクター3人が言うんだよ。『チョロいぜ!』『甘いぜ!』『チョロ甘ですね』って感じで」
「その掛け合いは覚えてるのに…前の、術…だっけ?…それは忘れたの?」
サチの言葉に最近トゲが増えてきたと思うんだ。言い訳だけどあの詠唱って大変難しい言葉で紡がれているしいくつもその文章がある。最近頑張って思い出したファイアボールという術だけで『揺らめく焔、猛追!ファイアボール!』とか『きらめく焔の猛撃』、とか『業火よ爆ぜろ! ファイアボール!』とか…。
「あとは…」
「置いていきますよー」
「……うわぁ、向こうから聞いてきたのに…」
聞いてきた本人たちがテクテクとユリエールさんについて行って距離が開いてしまっている。その間に話していたことを聞いただけだけどどうやらこのダンジョンの奥に巨大なボス級モンスターを見かけた《軍》プレイヤーがいたらしい。そこから推測なのだがキリトたちは60層で出たボスモンスターだから楽勝だろうと結論付けていたがどうも嫌な予感がするんだよね…。
しばらく裏道を歩くとこの生命の碑のある宮殿の下水道らしき場所の入り口の前に着いた。ちょっと暗くて狭いらしい…と言葉を切りユイの方を見るユリエールさん。さすがに武装してない女の子をダンジョンに伴うのは心配なのだろう。
「ユイ、怖くないよ!」
それに引き続きアスナも安心させるように言葉をかける。
「大丈夫です。この子、見た目よりずっとしっかりしてますから」
「うむ、将来はいい剣士になる」
「親子で酒を飲むんじゃなくて剣を交わすのか?」
「お、それもいいかもな」
俺たちの発言にみんなが微笑むとユリエールさんが足を階段にかけ進んでいくので俺たちもそれについていった。
_______________
「ぬおおおお!!」
右手の剣でずばーっ!と、4つ目のカエルみたいなモンスターを切り裂き
「りゃあああ!!」
さらに左手の剣でどかーんっ!とさらにモンスターを吹き飛ばす目の前にいる二刀流。
俺じゃないからな…だって俺、いまは【称号:抜刀騎士】で灰色の服だから、そして今、モンスター相手に無双してるのは黒いロングコート着た男だからな。
ちょこちょこ現れる飛行型モンスターは俺やらユカなどのリーチが長い攻撃できる人が攻撃して倒してるけど。
「容赦ないな~」
「もっと手加減したらどうだ?」
「「ユカがな」」
「え、私!?…キリトでしょ」
「五十歩百歩だよ」
「お前もな」「アンタもね」
さすがに距離が距離だからそんなに暴れてないと自覚してるつもりだったのに…!
なんかみんなの顔が「ヤレヤレ」と語っている気がするが絶対キリトの方が暴れてるからな…とボソボソと呟く。だってモンスター集団が現れるたびに自分から二刀を抜いて斬りかかって行くからちぎっては投げ、ちぎっては投げ…であっという間に片付けていっている。さらにユイが「パパーがんばれー!」と声援を送っているので加速してなぎ払っていくし。
「…なんだかすみません…。お任せして…」
「いえ、アレはもう病気ですから…。やらせときゃいいんですよ」
アスナの発言に軽く笑いが生まれているアスナたちの元へと戻ると早々にユカが口を開く。
「酷いわね、アスナ…」
「……お姉ちゃんまで病気だって知ったのは意外ですけどね」
どうやらユカにもバーサーカー的な一面もあるらしい。俺も初めて知った…。
「ユリエールさん…シンカーさんはどうしてるかわかります?」
「ちょっと待ってください……そうですね…恐らくですが」
と地図を可視モードにしてシリカに見せながら説明している。どうやら地図の詳しい道のりは表示されてないようだがまだ少なくとも7割はあるらしい…。まだ安全エリアらしき場所から動いていないのが安心できる唯一のこと…そこまで行けば結晶を安全に使えるのでもう少し、とユリエールさんは頭を下げて頼んでいた。
「い、いや、好きでやってるんだし…アイテムも出るし……」
「へぇ…何出るの?」
リズの質問にキリトは素早くウィンドウを操作するとその表面に、どちゃあ…という生々しい音を立てて赤黒い肉が出現する。
あまりにグロテスクなのでキリト以外の全員が「うぇぇ…」と小さく声を出していた。
「キ、キリト…それ…な、なんなの…」
「カエルの肉。ゲテモノほど美味いって聞くからな、あとで3人で調理してくれよ」
3人ってまさか全員に指名してくるとは思わなかったな…
「「絶、対、嫌!!!」」
「2人に同じく」
アスナは自分のウィンドウを開くとキリトと共通になっているため自分の所にも入っている『スカベンジトードの肉』をアイテム欄から24個全部容赦なくゴミ箱へとつっこんだ。
「あっ!あぁぁぁ……」
「なんて声だしてるのよ」
情けない声を出すキリトにアハハハハと一同が腹を抱えて笑う。その空気にユリエールさんもくっくっくと笑いを漏らしたその瞬間、
「お姉ちゃん、はじめて笑った!」
と、ユイがうれしそうに叫んだのだ。そういえばユイは嘘だとか感情だとかの人間の内面にめちゃくちゃ敏感だな…発作が起きたのも教会の子供たちが喜んでいるときだったし…。もともと性格がそうなのかもしくは今までずっと辛い思いをしてきたせいなのか…。
このアインクラッドにいる時だけでもこいつの兄としてずっていていたいな…。
「さぁ、先に進みましょう!」
アスナの声に一同、気を引き締めて先へと歩を進めた。
____________________
「あっ…安全地帯よ!」
さらに歩き続けて数十分後、暖かな光の漏れる通路が目に入りそれを指差してリズが言った。どうやらもうすぐでシンカーさんを助けられるらしい、任務完了ってところか。
「奥にプレイヤーが1人いる」
「えぇ…グリーンってことは…多分」
「シンカー!」
トップレベルの索敵スキルを持つ2人がそう呟くとそれを聞いたユリエールさんがもう我慢できない、といわんばかりに一目散に駆け出した。まだ俺たちは安全地帯に入っていないのでモンスターの危険性があるため俺たちもユリエールさんの後を慌てて追いかける。すると、数秒後前方に大きな十字路とその先にある小さな小部屋が俺も確認できた。そこには小さな人影がこちらに手を振っていることも確認できる。ユリエールさんも手を振り返しているところを見るとあれがシンカーさんなのだろう。
「来ちゃだめだー!!その通路はっ!!!」
その言葉を聴いてユリエールさん以外の救出作戦に参加したメンバーはぎょっとして走る速度を緩める。が、その作戦のリーダー的存在の人はその足を緩めようとはしない。
警告むなしく、ユリエールさんが十字路にかかる役10秒前に俺たちの右側の死角部分に黄色いカーソルが出現した。上に英語表記で名前が表示されている。ということがボスモンスター。
「キリト!!」
「判ってる!!」
その言葉が聞こえるか聞こえないくらいのタイミングでズバンっ!という強烈な音を生みながら一気に走り抜ける。ほぼ瞬間移動でユリエールさんのところまで移動すると彼女を抱えながら石の床に思い切り自身の剣を突き刺しスピードを無理やり殺す。
その瞬間、キリトの目の前に巨大な鎌が振り下ろされギィィィンと甲高い音を立てていた。
体制を立て直し左へと跳んでいったボスを追いかけたキリトを追いかけるとそこには2本の剣を持ったキリトと、彼と対峙している2メートルはあるんじゃないかという黒いローブを身に纏った人型のものだった。
「…インスペクトアイ……っ!?」
識別スキル完全習得でようやく使えたテイルズの識別技を使いその人型ボスを確認する。普通、完全習得したならそれ以上の付加はつかないはずだがこれのおかげで今の状態では普通に確認できないモンスターでもそのステータスを確認できる。その結果は自分の目の前にウィンドウがでて文字が出てくるという結構便利な代物だ。
キリトも完全習得しているはずだが確認が出来ないといっていた。なら、と思い技を使い確認してみるといつもの通りウィンドウが開かれる。しかしそこには…
「……《Unknown》ってなんなんだよ…!」
90層クラスなんてものじゃない、それ以上…もしあるとしたなら100層は優に超えているくらいの強さということだろう…。
「サチ、シリカ、リズ、ユカ…今すぐここを脱出しろ!」
「…なんでよ…」
俺の後ろで武器を構えている全員だったがその中から代表してユカが声を出す。
「こいつはやばすぎる…今まで戦ったボスモンスターなんて足元にも及ばない位なんだ…!」
俺は目の前のモンスター…名を『The Fatal-Scythe』、運命の鎌を名乗る巨大な死神を見上げながらそう呟いた。
後書き
涙「なんだかんだで50話かぁ…」
リ「それでアインクラッドクリアしてないって…どういうことだよ」
涙「だ、大丈夫60くらいで終わらせてフェアリィダンスには行くから…きっと…」
リ「願望かよ!!」
涙「あっはっは…で、質問なんだけどさ、テイルズの人型ボスで誰が強かった?」
リ「う~ん……ネビリムとか第3形態のデュークかな…あ、でも初代ダオスもやばかったな」
涙「いっぱいいるね~…それで一応、次の話にその第3形態のデュークさんを敵役として出そうと思うけど…苦戦する?」
リ「俺は1人じゃ苦戦すると思うけど…多分、他の作品の主人公も少しは苦戦するんじゃないか?」
涙「う~むむむ……一応試しにそれで投稿してみるか…その話が完成したら…」
リ「それでいいんじゃないか?」
涙「一応、感想待ってます!…あと書いてて思ったけどさ」
リ「なんだよ」
涙「サチが…レイア化してきたwwそれに少々リタもプラスされてる感がww」
リ「うぉい!!!」
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