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ハイスクールD×D~妹様な転生者~

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第5話 一難去ってまた一難?

 
前書き

やっと出来ましたぁ………

次話は今月末までにあげますぅ………


 

 
 


「一誠様………今日の朝食はスクランブルエッグとハムに今朝送られてきました新鮮な野菜を使ったサラダとなっております」

「うおぉぉぉぉぉ!!すっげえ旨そうだ!」

「………はぁ」

メイドにより目の前に出された朝食に喜びながら箸を伸ばすイッセーを見ながら私はため息を吐く。
現在、私が直面している問題は普通ではありえない状況なのだからため息の一つくらい吐いてもいいと思う。

「どうしたんだよフラン?どっか調子悪いのか?」

そんな私の様子にイッセーが心配そうに声をかけてくる。
その心遣いはとても嬉しいのだけど………



「………私のため息の原因はイッセーだよ」



私はそう言うとまた深いため息を吐いた。
しかしイッセーは………ううん、推定身長180cmで引き締まり無駄の無い筋肉を手に入れた黒い長髪のイッセーはキョトンとした表情を浮かべている。
私は静かに目を閉じながら昨夜起きてしまった不幸な事故について振り返り思い出す。



そう………あれは三成への罰の為にイッセーへ仕えるよう指示を出した後の事だった………





☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆




「承知………致しました………この三成、誠心誠意、真心を込めて兵藤一誠様に………お仕え、致します………」

罰としてイッセーに仕えるよう私が指示を出し、それに対して三成が頭を下げながら承認しつつも引っ掛かりを感じるような言い方をする。
どうやらこの処罰に対して三成はかなり不服なようだ。

元々彼女は自分より弱い存在に仕えたり敬うようにする事に激しくプライドを傷付けられる人物であり、我が家の完璧過ぎる瀟洒なメイド長との決闘を挑み敗れたのがきっかけで仕えるようになった。
つまり自分より弱い存在であるイッセーに仕えるように指示された彼女の心は激しい怒りの炎が猛り狂っている事だろう。

でも私にだってちゃんと考えがある。

「三成………ずいぶんと不服そうだけど?何か異論があるのかな?」

「ッ!?………いえ」

そんなわざとらしい私の問い掛けに三成は怒りを押し隠すようにして答える。
私は顎に手を当てながら空いていた食堂の椅子に腰掛けて足を組み替えると目を細めながら三成を見詰め………



「イッセーを主として見るのが………ううん、自分より実力の劣る存在を上に見るのが気に入らないのでしょう?」



はっきりとした口調で三成に告げた。

「………………」

それを聞いた三成は何も答えない………いや、図星過ぎて答えられない。
だから私はあえてこう答える。
だってイッセーはまだ明らかにされていない、私達を越えられる可能性を秘めた存在を有しているのだから………


「そう、だったら………私がイッセーを貴女より強くして見せるわ♪」



「なっ!?そんなの無理に決まってます!!」

三成は私の答えを聞いた瞬間に反論する。

「だいたいこの男は私のように幼い頃より修練を詰んでいた訳でもなく、フランお嬢様のように特別な種族でもない只の一般人だというのに………どこに勝てる要素があるのですか!!」

それはもう酷い言われようだった。
話題の中心人物であるイッセーもオロオロとして頼りなさそうにしているが………私にはちゃんとした勝算がある。

「明日………明日までにイッセーを貴女を凌駕する強さまでに引き上げてみせるわ」

私はそう言うと三成に微笑む。
その宣言に三成はしばらく呆然としていたけど………

「明日の勝負………もし私が勝ったら私への処罰は無しにしてもらいます」

そう言ってこちらを睨む。
正直、その程度の睨みで怯む私ではないので微笑みを崩さずに

「じゃあ負けたらイッセーに身も心も………ううん、貴女の全てを捧げなさい」

そう言い返した。

「ええ分かりました!失礼します!!」

すると三成は怒りの表情を崩すことなく食堂から足早に立ち去る。
私はしばらく三成が出て行った扉を見つめていたけど………

「………という訳で強くなるわよイッセー?」

まるでイタズラを思い付いた時のように含み笑いをしながらイッセーに告げると

「………あのさ」

イッセーは何故か出血している鼻を抑えながら私を指差して伝えてくる。

「………俺としては眼福なんだが………服、着替えた方がいいと思うぞ?」

「ふぇ?………ふにゃ!?」

その言葉に私は改めて自分の格好を確認し、胸元が破けて胸の先端が見えかけている事に気が付き奇妙な悲鳴をあげて赤面するのだった。


それからしばらく私が羞恥心による身悶えに苦しみながら服を着替えている間にメイド達へ指示を出して"とある部屋"の準備をさせてイッセーを部屋の前に連れて行くようにしてもらった。

その部屋はパチェ謹製の特別な部屋で、なんでも………何かのアニメで出てきたネタで作ったらしい。
何のネタなのかは分からなかったけど、今回イッセーを鍛えるには持ってこいな部屋なのでありがたく使わせて貰おう。



「………と思ったんだけど………イッセーはどこ?」



普段着(紅魔郷のフラン)に着替えた私がその部屋の前に着いた時にはイッセーの姿はどこにもなく、恐らくイッセーが座って待っていたであろう木製の椅子が扉の隣に置いてあっただけ………

「そういえば私が持ってくるように頼んだ神器(セイクリッド・ギア)の図鑑と魔力・霊力・気の鍛え方についての本もどこにあるの?」

私はイッセーを案内し、本を運ぶように指示を出したメイドに聞いてみると

「本をこちらにお持ちした後、兵藤様をここにお連れしてフランお嬢様をお呼びしたのですが………」

メイドもイッセーと本の行方については知らなかった。

「本を持って来た後にイッセーを連れて来て、その後私を呼んで来たら居なくなってたって事かぁ………んぅ?も、もしかして………」

私はメイドの言っていた事をもう一度繰り返して言ってみると………とある答えにたどり着いた。

「ね、ねぇ!?イッセーが居なくなって何分過ぎた?」

恐らくそれが正解であると思った私は扉のドアノブに手を掛けながらメイドにそう聞くと

「え、えっとぉ………だいたい10分程かと?」

困惑した様子ではあったものの、メイドは答えてくれる。

私はそのメイドの言葉にますます焦りを募らせながらドアノブを捻って扉を勢いよく開けて………

「イッセぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

開けた扉の先にこの屋敷の敷地を遥かに越えているジャングルが広がるそこでお腹の奥底から出せるだけの大声でイッセーの名前を叫ぶ。

すると………



「ドラゴン………スパーク!!」

『Explosion!!』



突然聞こえたそんな声と共に放電音とスパークを撒き散らしながら真紅の砲撃が私の右側から目の前を通り抜けてきた。

「わひゃあ!?い、今のって………」

いきなり目の前を通り過ぎた幻想の世界にいる自称普通の魔法使いの砲撃よく似た砲撃に私は目を白黒させていると………

「だ、大丈夫か!?巻き込まれてないよな?」

『大丈夫のようだ相棒、目の前を通り過ぎただけで掠りすらしてないようだからな』

無駄の無い引き締まった筋肉質の身体をした長い黒髪の男性が心配そうな表情を浮かべて私に話し掛けてきた。
しかも見覚えの無いその男性の左腕には紅い篭手があり、その篭手に嵌まっている宝玉からも声が聞こえてくる。

「えっと………まさか………」

私はその男性が一瞬誰なのか分からなかったのだけど、この部屋にいる人物が自分を除いてたった一人しかいない事を思い出す。

「イッセー………なの?」

私はその男性にそう聞くと

「まさか………やっと………やっと迎えに来てくれたのか?」

恐らく………というかほぼイッセーで確定っぽい男性は驚愕の表情で私を見詰めていた。

「遅れてごめんねイッセー………」

私は変わってしまったイッセーに謝罪する。
何故なら………ここはドラ〇ンボールのパチモンであるドラク・ソ・ボールに出て来た"時と精神の部屋"を参考にパチェが作った周りの時間とは隔絶され、1分で1年の月日を過ごせる特殊な空間なのだから………



「つまり俺にとってはあれから10年くらい経ったように体感しているけど、フラン達にとっては10分くらいしか経ってないってことか………ま、起きちまったもんはしかたないさ………でも一度この部屋を作った魔女に会ってみたいもんだな」



私がイッセーに部屋についての説明と何も知らない状態でこの部屋の前に案内してしまった事について謝るとイッセーは右手を顎に当てて苦笑しながらそう呟く。
どうやらイッセーは怒ってないようだ。
そのことに安堵して胸を撫で下ろし、改めて成長したイッセーを見てみる。

10分前に見たときより精悍な顔立ちで引き締まった身体を裾なんかがボロボロになった駒王学園の制服………まるでどこかの番長のような格好だ。
雰囲気はどこか爽やかさを感じさせ、それでいてどこかワイルドな面も持ち合わせたイケメンオーラが醸し出されている。
というかイッセーが変わり過ぎて本当に本人なのか疑わしいくらいだよ………。

それにさっきイッセーに左腕に装備していた篭手と私が見た砲撃についても聞いてみると………



「ああ、この篭手は俺の神器で神滅具(ロンギヌス)の"赤龍帝の篭手(ブーステット・ギア)"で中にいるのが俺の相棒のドライグだ………あと、あの砲撃はメイドさんが持って来てた本の中にあった"マスタースパーク"って砲撃を自分なりに再現してみたんだよ!まぁ、俺には魔力の適性は無かったからそれを代用する為に気の力を高める修行をやったんだけどな………おかげで俺も自分専用の砲撃"ドラゴンスパーク"を撃てるようになったんだ」



と嬉しそうに握りこぶしを作りながら驚愕の事実を話してくれた。
………とりあえずどこからツッコミを入れればいいんだろう?
魔力の適性が無いからって他の力を伸ばすってのはなかなか出来ない事だと思う。
たぶん普通の人ならそこで諦めてしまってたかもしれないのにイッセーは諦めなかったから出来た努力の結晶ともいうべき技なのだから………

「そ、そうなんだ………とりあえず戻ろっか?」

私はイッセーのした努力に少し呆れながらも帰るように促すと

「おう!さすがに気の力で身体能力を高めて見たことも無いような動物?っていうか魔物を仕留めて食べるのは疲れるぜ」

と笑顔で言ってきた。
………これはツッコミ待ちなんだろうかと思った私は悪くないよね?





☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆




「はぁ………」

とりあえず回想を終えた私はまたため息を吐く。
一方、私のため息の原因であるイッセーはというと………

「んぐっ、はぐはぐ!んっんっ………くはぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!美味い!!」

絶賛お食事中だったりする。

まぁ現在のイッセーのステータスはすでに聞いてみたから別に話す事は無いんだけど………



「一応それ………10人前くらい用意してたんだけどなぁ………」



私の呟きはイッセーの食事する音に掻き消された。
とりあえず情報を整理すると………

まずイッセーは気の力を使う事が出来て、それを砲撃や弾幕に使うことだけでなく身体能力を高める事にも使用できる。

次にイッセーに宿っていた神器(セイクリッド・ギア)は神滅具(ロンギヌス)の赤龍帝の篭手(ブーステット・ギア)であり、気の力が使える為か150回までの倍加(Boost)は出来るけどまだ禁手(バランス・ブレイカー)には到達していない。
赤龍帝であるドライグの話だと

『そろそろ目覚める頃だとは思うが………何かきっかけさえあればな………』

との事らしい。

「とりあえず人間にしてはかなりデタラメな力だね………」

イッセーの現在ステータスを確認した私はそう呟く。
だって………人間がミニ八卦炉無しで似せたような物だけどマスパを撃てるんだよ?
それにあの部屋の中で10年も生きていた事だけでも奇跡なのにイッセーはその生活に順応してみせた。
本当にイッセーは規格外だと思う。

「でもイッセーが10年もあの部屋に閉じ込められたのはこっちのミスだからなぁ………ねぇイッセー?」

罪悪感を感じながら私はいまだに食事を続けるイッセーに声を掛ける。

「んぐ?………ゴクリッ!なんだフラン?」

するとイッセーは食事を止めて私の方を見てくれた。
だから私は罪悪感を感じながら贖罪の意味を込めて



「私………イッセーの言う事を一回だけ………私に出来る事に限るんだけどイッセーのお願いをなんでも聞こうと思うんだ………」



そう言った。
それを聞いたイッセーは驚いたような表情を浮かべてたけど………

「なんでも………いいのか?」

真剣な表情で私にそう聞いてくる。
私はイッセーが何か重要な事を言ってくるのだと思い

「うん!なんでも言ってよ!」

真剣な表情で頷いて答えた。
するとイッセーはその真剣な表情を崩さずにこう私にお願いしてきた。





「なぁフラン………胸………触らせてくれないか?」







 
 

 
後書き

流石の妹様もこれは予想してなかったぁ………


 
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