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イベリス

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第九十三話 お弁当を食べてからその九

「チェックしておいてね」
「そうしないと駄目ね」
「そうよ、安全と言っても全部安全とは限らないから」
 それでというのだ。
「何処がどうどれだけ安全か危険か」
「わかっておくことね」
「そのことも大事よ」
「駅を巡るにしても」
「そうよ、まあ電車の中は安全だけれどね」
「山手線でも地下鉄でも」
「日本だとね、昔のニューヨークの地下鉄と違ってね」 
 かつては極めて治安が悪いことで有名だった、クロコダイルダンディーという映画で冒険したいなら地下鉄に乗れという台詞があった程だ。
「電車の中はね」
「何処も大抵安全ね」
「実際喧嘩とかないでしょ」
「まずね、変な人いたら」
 電車の中にというのだ。
「すぐにスマホで撮られて」
「インターネットで流されるわね」
「それで炎上して」
 そうなりというのだ。
「個人情報も特定されるわ」
「そうでしょ」
「ええ、それでね」
 そのうえでというのだ。
「社会的によ」
「終わるわね」
「そうなるからね」
「まずいないわね」
「ええ」
 電車の中でおかしなことをする者はというのだ。
「大抵の人が寝てるか本読んでるか」
「スマホ触ってるわね」
「そうしてるわね」
「それが日本の電車だから」
 それでというのだ。
「安全によ」
「乗れるわね」
「日本で乗ったら危ない電車なんて」
 事故ではなく治安という意味でというのだ、尚事故も殆どない。
「まずないわね」
「そうよね」
「東京だけじゃなくてね」
「他のところでもよね」
「だからそこはまず安全だから」 
 それでというのだ。
「安心していいわ」
「そうよね、電車の中は」
「ええ、それでも安全のこともね」
「注意することね」
「治安とかもね」
「日本はよくても」
「危険な生きものも少ないけれど」
 都内でもというのだ。
「絶対ってことはないから」
「注意することね」
「ええ、お母さんも毒の強い蛇とか蠍がいなくてよかったわ」
「東京によね」
「本当にね、ただね」
「ただ?」
「最近たまにセアカゴケグモとかヒアリの話も聞くことがね」
 こうした外来種が入り込むこともあるのだ。
「怖いわね」
「どっちも噛まれたら大変ね」
「日本の気候が合わなくて長く生きられないらしいけれど」
「見掛けたら要注意ね」
「すぐに保健所とかに連絡してね」
 そうしてというのだ。
「対処してもらわないとね」
「駄目よね」
「そうよ」
 絶対にというのだ。
「こうした生きものはね」
「放っておけないのね」
「噛まれたら大変だし若し生き残ったら」
 気候が合わずともその可能性はゼロではないというのだ。
「大変なことになるからね」
「駆除してもらうのね」
「そうしないと駄目よ」
「そうなのね」
「命を殺すことになっても」
 それでもというのだ。 
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