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その小さな女の子のことが気になってしまったんだが、どう接していけばいいんだろう

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8-3

 家に戻って、ななのちゃんは風呂に入って浴衣に着替えて出てきた。

「少し 背が伸びたのよね どんどんときれいになって もう、立派な娘さんよねー」と、母が父と僕の前に連れてきて言っていた。

「お義母さん いつも、ありがとうございます うちのお母さんもお正月の写真を見て、きれいネって こんなことまで、してもらってって 感謝してました」

「お礼なんて言わないの! 私達の楽しみなんだから・・ ななのちゃん あっちの家でかがみさんが待っているから お化粧してもらってらっしゃいな」

 と、僕はお化粧と髪の毛をセットしてもらったななのちゃんと、ぶらぶらと花火がよく見えるほうに歩いて行った。僕も、浴衣に着替えていたのだけど、家から遠ざかると、ななのちゃんは僕の腕に絡むようにしてきていた。

 上がった花火を見て、相変わらず、ななのちゃんは声を出しては僕の手を取って、はしゃいでいた。そして、帰る時

「おい シュウ だろう?」と、後ろを振り返ると、何人かのグループだった。よく見ると、高校の時の同級生で男2人女2人のグループだった。

「やっぱり シュウか? なんだ、帰って来てるんだったら連絡しろよー」

「あぁ 急だったから お前も帰ってたのか?」

「おお 久しぶりでな タカシに声掛けたら、集まってくれた なんだよー 久しぶりだよな」と、テルマサは名古屋で勤めていて、タカシは地元の仕出し屋を継いでいる。女の子はやっぱり、それぞれ地元の事務員と販売員になったと聞いていた。

「ねぇ かがみ 元気? 赤ちゃん生まれたんでしょ?」

「あぁ 男の子だ 可愛いよー」

「もう お母さんだものねー 早いねー」と、言っていたサナエは、結婚もまだみたいで、どうも彼氏も居ない様子なのだ。浴衣姿なんだけども、太っているし、似合わないと思った。高校の時はそんなに太っていなかったのに・・。

「シュウ 彼女か? こんな可愛い娘 この辺りには居ないよなー どこで、引っかけたんだぁー?」と、僕の後ろで隠れるようにしているななのちゃんを見て、タカシが見つけたように言ってきた。

「彼女じゃあないよ 知り合いの娘なんだ 祭りだから・・」

「へぇー まだ 高校か中学生でしょ? シュウってロリコン趣味だったのー? シュウも悪だね 私って女が居ながらさー こんな若い娘を」と、サナエがからかうように言ってきた。お前はそんな風に人をからかうような言い方をするから、余計もてないんだよって思って

「あぁ サナエとは そういう機会が無かったからな 生憎だったな!」

「まぁまぁ シュウ 久しぶりだし、この後、飲みに行こうぜ こいよー」

「そうだな 高校出てから初めてだもんなー 行くかー でも、ななのちゃんを家に送ってから、行くよ」と、僕は、その途端に不機嫌そうな ななのちゃんの顔を見ながら返事をしていた。

「シュウ やっぱり 行くんだー」と、帰り道に、明らかに面白く無いと思っているななのちゃんだった。

「ウン ななのは連れて行く訳にいかないだろう? お母さんの相手して待っててくれ」

「・・・仕方無いね お酒 飲むんじゃー 私 子供だもんネ」

 ななのがきっとまつ毛を濡らしているだろうなと思いながら、僕は、送り届けた後、出掛けて行った。そして、酔って、部屋に帰ってきた後、眠り込んでしまっていると、多分、ななのだろう、ベッドに上がって、何にも掛けていない僕の背中からタオルケットを掛けてきて、そのまま腕を廻してくっついてきた。僕は、ななのの未熟な胸の柔らかさを背中に感じていたのだが、酔っていて面倒なのでそのまま寝てしまっていたのだ。

 朝になると、ななのは居なくて、起きて行くと、彼女は母と一緒に朝ご飯の用意を手伝っていたのだ。
 
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