星河の覇皇
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第八十三部第四章 戦線崩壊その二十四
「その時はな、しかし」
「臆している位ならですか」
「その程度ならですか」
「撃たれませんか」
「その様にされますか」
「私は勇敢な者とは戦い外道は成敗する」
その様にするというのだ。
「しかしだ」
「それでもですか」
「臆病な者はですか」
「撃たれないですか」
「それが武器を持っている敵なら用心の為に撃つが」
それでもというのだ。
「武器を持たないならだ」
「撃たれないですね」
「それはされないですね」
「決して」
「そうされますね」
「退艦と退職を命じてだ」
そしてというのだ。
「そのうえでだ」
「終わりですね」
「そうされますね」
「臆病者に対しては」
「その様にされますね」
「そうだ、だが戦いたい者は前に出るのだ」
ダビデブは胸を張って高らかに言った。
「いいな」
「わかりました」
「それではです」
「先に進みます」
「ここは」
「その言葉受け取った、では進むぞ」
この言葉を言うとだった。
ジャアファルのすぐ傍を敵の移動要塞からのミサイルが横切った、攻撃を受ければそれでかなりのダメージ下手をすれば撃沈も有り得た。
だがそのミサイルを見てもだ、ダビデブは言った。
「いいな」
「はい、この中でも」
「敵の攻撃は来ますが」
「それでもですね」
「我々は進みますね」
「敵の攻撃に臆するな」
ダビデブの言葉は毅然としていた。
「いいな」
「はい、ではですね」
「このままですね」
「前に進み」
「戦いますね」
「そうする」
今度はビームが来た、そのビームは。
バリアーで防いだ、弱いのでそれで充分だった。艦は揺れたがそれでもやはりダビデブは動じていなかった。
それでだ、軍を前に出して攻撃を仕掛ける。数が減っているだけでなく憔悴していたティムール軍は忽ちのうちに押されだした。
アブーはオムダーマン軍のその攻撃を見て言った。
「来たな」
「はい、凄まじい攻撃です」
「実に」
「これだけの攻撃とは」
「正直恐ろしいです」
「恐ろしいものです」
「そうだな、しかしだ」
それでもとだ、アブーは言った。
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