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イベリス

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第九十三話 お弁当を食べてからその二

「私としてはね」
「そこはこだわりね、お母さんもだけれどね」
「パンだと紅茶はよね」
「牛乳じゃないと」
 それがないと、というのだ。
「せめてね」
「ストレートでないと」
「レモンはね」 
 これはというのだ。
「違うから」
「それでなのね」
「紅茶になると」
 それならというのだ。
「もうね」
「レモンは駄目なのね」
「ミルクかね」
「ストレートなのね」
「そうなの」
「いいわね」
 母はそれならと応えた。
「紅茶はビタミンあるから」
「いいのね」
「そこにミルクがあったらね」
 さらにというのだ。
「いいからね」
「じゃあね」
「ええ、もうね」 
 それこそと言うのだった。
「レモンティーはね」
「サンドイッチとかの時にはいいのね」
「ワインもね」
 こうした酒もというのだ。
「ケーキの時だって」
「咲はいいのね」
「手軽な食べものの時は」
 それこそというのだ。
「ビールやレモンティーでね」
「よくて」
「それがチョコレートとかケーキとか」
「お肉とか?」
「そうしたものと一緒なら」
 それならというのだ。
「飲むならね」
「そうしたものね」
「駄目かしら」
「いい筈ないでしょ」
 母は娘に笑顔で応えた。
「食べものとかお酒の嗜好なんてそれぞれよ」
「だからなの」
「お母さんの知り合いなんて日本酒で何でも飲むから」
 それでというのだ。
「おはぎでもね」
「甘いものでも?」
「そうなのよ」
「日本酒好きだと」
 咲はよく言われることから話した。
「甘いものはね」
「嫌いね」
「お酒でもワインとかが好きならね」
「甘いもの好きよね」
「お母さんもお父さんもそうよね」
「ワインじゃなくてもカシスとかカルーアだとね」
 母はそうした酒ならと答えた。
「お母さんもお父さんもね」
「甘いもの平気よね」
「ええ、けれどね」
「それでもなの」
「食べものの好みは人それぞれで」
 そしてというのだ。
「飲みものもで」
「お酒もなの」
「それであんたはね」
「パンとかはミルクティーとストレートティーで」
「お菓子はレモンティーね」
「お酒もそうなのね」
「そうみたいね、そこは気をつけてね」 
 こう娘に言うのだった。 
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