博士の挑戦状

　　　　　　　　　　　　　　　第二十九話　　トランプの後で
　博士はトランプを終えるとワインを出した、そこにチーズやサラミそれにクラッカーも出してだった。
　ワインを飲みはじめた、そうしつつ小田切君に言った。
「やはりサラミ等には赤ワインじゃな」
「それが一番合うんですね」
「うむ」
　その赤ワインを飲みつつ話した。
「わしはそう思う」
「そう言えば僕もですね」
「サラミやクラッカーにはじゃな」
「ワインだと赤ですね」
　こちらだというのだ。
「あとチーズも」
「チーズは白でも合うがな」
「チーズはもうどんなワインにも合いますね」
「そうじゃな、しかしな」
「サラミやクラッカーになると」
「赤じゃ」
　言いつつまた飲んだ。
「こちらじゃ」
「そうなりますね」
「そう思う、それで白だとチーズにな」
「あと魚介類ですね」
「やはり魚介類だとな」
　合うワインはというのだ。
「白じゃ」
「そうですよね、僕もです」
「同じ考えじゃな」
「はい、ただ」
「ただ。どうしたのじゃ」
「最近白ワインあまり飲んでないですね」　
　こう博士に話した。
「今気付いたんですが」
「そうなのか」
「はい、今度飲んできます」
「何なら今飲むか」
　博士は小田切君の話を聞いてこう返した。
「そうするか」
「今からですか」
「何なら出すが」
　その白ワインをとだ、博士は小田切君に話した。
「どうじゃ」
「博士は赤で、ですか」
「別に小田切君が白でもよかろう」
「じゃあお給料からワイン代引いて下さい」
「ボーナスの一環でどうじゃ」
「現物支給ですか」
「どうじゃ」
　こう小田切君に言う、博士は言いつつ自分の分をもう一本と白ワインのボトルを二本出してきたのだった。


第二十九話　　　完


　　　　　　　　　　　　　　　　　２０２３・１・２１