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博士の挑戦状

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第二十八話

               第二十八話  ポーカーは弱い
「おい、博士ってな」
「そうだよね」
 ライゾウとタロは博士と小田切君と共にポーカーをしてみてだった。最下位に終わった博士を見て話した。
「弱いよね」
「ポーカーな」
「ブラックジャックもね」
「七並べだってな」
「ババ抜きもだし」
「トランプ全部な」
「あの、そちらは」
 小田切君も博士に言った。
「どうなんですか」
「いや、楽しめばいいであろう」 
 これが博士の返事だった。
「だからな」
「負けてもいいのかよ」
「特に力を使わなくても」
「そうなんですか」
「楽しむものじゃ」
 あくまでというのだ。
「ならばな」
「別にかよ」
「負けてもいいんだ」
「最下位でも」
「そうじゃ」
 まさに何でもないといった口調であった。
「わしが楽しめればな」
「負けてもか」
「それでもいいんだね」
「楽しかったら」
「うむ」
 その通りとだ、博士はまた答えた。
「そうじゃ、勝ち負けでなくな」
「ゲームは楽しむ」
「それが第一なんですね」
「博士にとっては」
「命が関わっておるか」
 博士は逆に問うた。
「そうではないな」
「だったらか」
「負けてもいいんだね」
「別になんですね」
「そうじゃ、では今度はな」 
 博士はあらためて話した。
「PCゲームをしてじゃ」
「楽しむか」
「そうするんだね」
「そうされますね」
「そうするとしよう」 
 こう言ってトランプの勝敗なぞ気にもせずにだった。
 博士はそちらのゲームも楽しんだ、そうしてこの日を幸せに過ごしたのだった。


第二十八話   完


                      2023・1・13 
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