その小さな女の子のことが気になってしまったんだが、どう接していけばいいんだろう
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7-2
お詣りをして、今回もななのちゃんは陶器のカエルに何かを書いて納めていた。何を書いたのかは、今度も僕には秘密と言っていたのだ。
僕達が家に帰ると、母が待っていたかのように、自分で車を運転してななのちゃんを連れ出していた。近くのショッピングセンターに行くのだと言っていた。夕方近くになって、ようやく帰って来て
「ななのちゃんとネ 夕食のお刺身とか買ってネ それと、可愛らしいお洋服とか選んでいたのよ」
「シュウ 私 いっぱい お義母さんに、買ってもらっちゃった 下着なんかも こんなことしてもろて ええのかなー」
「まぁ あっちも それが楽しみなんだから いいんじゃぁないか」
「それとネ おばさんって おかしいから・・ お母さんって呼びなさいって ウチの娘なんだからって」
お母さん? でも、おばあさんじゃぁ 可哀そうなのカナ ななのちゃんって 僕の家族には中途半端な歳なんだと僕は感じていた。
「そうかー・・・良いんじゃぁないの そう言うんだったら ななのには複雑だろうけど・・」
「私は うれしい そんな風にゆうてもらえるって シュウのお母さんやから」
「・・・」
夕食の時には、ななのちゃんは着替えていて、買ってもらったのと言って、大きな薔薇の花の絵柄のトレーナーにベルト付きのラップスカート姿だった。もう、お化粧も落としていたので、父も
「ほう そうやって見ると まだまだ中学生の女の子だなー 朝はびっくりしたけどな」
「お父さん どっちも ななのちゃんよ 変な言い方!」と、たしなめるように言っていた。だけど、僕も、朝は化粧したななのちゃんには驚いて戸惑っていたのだ。
夕食の時は、兄貴夫婦はかがみさんの実家に行っているはずなので、4人だけだった。
「琳太郎君が生まれてからね 向こうが気を使っているのか ご飯はお父さんと二人っきりなのよ だから、こうやって賑やかなの久しぶりよ」と、母がしみじみと言っていた。
「あっ お義母さん 私も いつも、二人っきりなんですよー だから、こんな大勢ってうれしい」
「そう ななのちゃんもお母さんと二人なんだものねー ごめんなさいネ ななのちゃんを奪ったみたいで」
「ううん お母さんも 楽しんでらっしゃいって送り出してくれたから」
「そう じゃぁ 明日 お土産に鯖寿司 持って帰ってネ 朝 注文するワ」
その夜もななのちゃんは僕の部屋に来て、一緒の部屋で寝ると言って、ずーとぐずっていたけど、僕がお尻を叩いて追い出そうとすると
「やだぁー そんなとこ 触ったらぁー」と、すごく、反応してしまって・・・隣の部屋に戻って行った。僕は、何だよいまさら・・・触りたかったんじゃぁないよー と、思いながら寝てしまった。
次の日、昼すぎに僕達は帰る電車に乗って、座っている間、ななのちゃんは僕の腕を抱きかかえて肩に寄りかかっていて
「こうやってくっついてると シュウ あったかい 夢ん中みたい ずーと駅に着かないでと思うんだぁー もう直ぐ 終わるんやネ 離れたくないなぁー あのね・・・ 昨日の晩 ごめんね びっくりしてしもてん あんな言い方してもーぅて・・・本当はシュウならええんやと思ってるんだよ でも、知らんかったやろー 夜中にシュウの布団に潜り込んだんやでー」
なんだよー やりづらいなぁー 中半端な年頃で・・でも、まだまだ子供なんだ 早く大きくなれと思っていた。
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