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イベリス

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第九十話 合宿最後の日にその十

「どうしようもなくなるよ」
「それじゃああの政党も」
「幾つかあるけれどどれもね」
「潰れますか」
「そうなるよ、どんな組織も馬鹿ばかりになったら」
「潰れますか」
「まともなことする人がいなくなるからね」 
 それでというのだ。
「上も下も全部そうなったらね」
「わかりますね、もう」 
 咲もそう言われて頷いた。
「本当に」
「そうだよね、少し馬鹿がいてもね」
「大丈夫ですね」
「けれど馬鹿ばかりだとね」
「潰れますね」
「そしてさっき話した店員さんみたいな馬鹿を採用するなら」
 テロで人が死んでも殺されても権力に反対するのならいいと言う様な輩をそうすればというのである。
「もうね」
「採用する側もですね」
「会社の方もね」
 それこそというのだ。
「おかしいからね」
「おかしなところだからおかしな人を採用するんですね」
「そういうことだからね」
「会社全体が馬鹿になっていて」
「そんな風だとね」
「潰れますね」
「実際そのお店が会社ごと潰れたの見た人思ったそうだよ」
 その時の大阪でというのだ。
「潰れてがらんとなったお店の跡見てね」
「何か凄い光景だったでしょうね」
「それまであった場所に何もなくなるとね」
「ゲームショップなんか特にですよね」 
 咲は秋葉原のそうした店を思い出して話した。
「賑やかで色々飾ってて」
「ポスターとかグッズとかね」
「商品も派手ですし」
「それが全部なくなるとね」
「伽藍となって」
「普通のお店が閉店した時よりインパクトあるけれど」 
 それでもというのだ。
「その場を見てね」
「思ったんですね」
「ついこの前まで賑やかだったのに」
「それが今来たらそうなっていて」
「どうしてそうなったか」
「そんな馬鹿な人を雇う様なお店で会社だったから」
「そう思ったらしいよ」
 その殺風景になった場所を前にしてというのだ。
「だからだって」
「凄いもの見たと思ったんでしょうね」
「絶対にね、何でも後に居酒屋さん入ったそうだよ」
「ゲームショップからですね」
「そうらしいよ」
「そうですか」
「それでゲームショップだった痕跡はね」
 それはというと。
「完全にね」
「なくなったんですか」
「そうらしいよ」
「そうですか」
「完全にね」
 それこそというのだ。 
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