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イベリス

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第九十話 合宿最後の日にその九

「真っ先にね」
「やられちゃいますね」
「遊びみたいに殺されるよ」
「モヒカンとか地震の後の鎧武者とか」
「あと魔界都市の物騒な住人にね」
「そうなりますよね」
「だからね」
 それでというのだ。
「何もわかっていないという意味でもね」
「馬鹿ですよね」
「それでどうせ自分が危なくなったら」
 そうなると、というのだ。
「必死に鳴いて叫んで命乞いするよ」
「自分だけは助かろうと」
「そうするに決まってるよ」
「みっともないですね」
「馬鹿もそこまでいくとね」
 それこそというのだ。
「親御さん泣くよ」
「ですよね」
「生きていてそうはなりたくないよ」
 部長は心から言った。
「しかもその人が務めていた大阪のお店はね」
「ハイハイタウンとかいうところにあったんですよね」
「上本町っていう場所にね」
「あったってことですから」
「その人が来て数年後にね」
「潰れたんでしたね」
「親会社ごとね」
 そうなったとだ、部長は話した。
「らしいね」
「そうした人を雇うって」
「やっぱりね」
「お店としてね」
「どうかってなりますね」
「うん、あまり馬鹿な人を雇う様なら」
 それならというのだ。
「お店もね」
「人を見る目がないですね」
「あんまりにも人を見る目がないと」
「お店も潰れますね」
「会社もね、多少あれな人は兎も角」
 それ位ならというのだ。
「もうそこまでのね」
「最悪な位馬鹿な人雇うなら」
「他の人も怪しいだろうし」
「潰れますね」
「世の中やっぱり馬鹿な人っているよ」
 人間的にそう言っていい輩はというのだ。
「けれどね」
「そうした人ばかりだと」
「おかしくなるよ、ある政党見てもわかるよね」
「ああ、あの政党だって」
 咲は言われてすぐに察して応えた。
「女の人が目立つ」
「ショートヘアのね」
「あそこですね」
「あの政党もそうだよね」
「ですね」
 その通りだとだ、咲も頷いた。
「あの政党は」
「昔はまだましだったらしいけれど」
「今よりは」
「今はもうね」
「ああなったんですね」
「運動家みたいなのしかいなくなって」
 政治家ではなくというのだ。
「もうね」
「変な人というかですね」
「今僕達が言ってるね」
「馬鹿って言っていい人達がですね」
「集まってね」
「ああなって」
「もうね」 
 それこそというのだ。 
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