イベリス
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第九十話 合宿最後の日にその六
「贅沢、堕落ってね」
「なっていますか」
「もうユダヤ教でも厳しい人は」
そうした考えの持ち主はというのだ。
「お料理のメニューもね」
「質素ですか」
「そうなんだ」
その実はというのだ。
「これがね」
「そうですか」
「それでヴィーガンの人達も」
「禁欲的過ぎて」
「それでお料理のメニューも」
「あまり凝らなくて」
「質素なもので」
そうしたものでというのだ。
「栄養的にも凝ってないみたいだよ」
「お野菜とか果物ばかりでも」
「うん、そうした風で」
それでというのだ。
「あまりね」
「よくないですか」
「そうみたいだよ」
「栄養的にも」
「それで栄養バランスの悪さが精神状況にも出て」
その為にというのだ。
「あの人達はね」
「他の人がお肉食べてるとですね」
「怒ってね」
「命を奪うなとかで」
「考えてみたらお野菜や果物にも命があるけれどね」
植物にもというのだ。
「けれどね」
「そうしたことを言って」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「暴れるんだよ」
「そうしますか」
「自分の考えは大事でも」
「他の人への強制はよくないですね」
「それじゃあカルトだよ」
それになるというのだ。
「もうね」
「そうなりますね」
「宗教でなくてもね」
「極端な思想はですね」
「カルトだよ」
そう言うべきものだというのだ。
「学生運動もそうだったしね」
「あれは共産主義ですよね」
「各目を目指したね」
「何か殺し合ってましたけれど」
「ああなるとね」
それこそというのだ。
「共産主義は宗教否定してるけれど」
「宗教と同じですか」
「カルトなね、彼等カルト宗教を嘲笑するだろうけれど」
宗教を否定しているだけにだ、事実共産主義者達は宗教を阿片と呼んでそのうえで弾圧さえ行ってきた。
「結局はね」
「一緒ですか」
「ああなったらね」
学生運動の様にというのだ。
「極端で他の人達に攻撃的になったら」
「カルトですか」
「宗教じゃなくても」
「どんな考えでもですね」
「そうだと思うよ、ただね」
ここでだ、部長はこうも言った。
「世の中馬鹿もいて」
「馬鹿といいますと」
「こうしたカルトがテロやってね」
そうしてというのだ。
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