神々の塔
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第八話 生贄の神々その十四
「ここは」
「エカテリーナちゃんと」
「そや、どっちがな」
まさにというのだ。
「上か」
「そうしたらええねんね」
「酒は何でもええさかいな」
その種類はというのだ。
「さしでな」
「勝負やね」
「そうしたらどないや」
こう言うのだった。
「ほんまな」
「ほなエカテリーナちゃんに声かけて」
「あの娘がええって言うたらな」
その時はというのだ。
「やったらええわ」
「ほなね」
綾乃もそれはと応えた。
「言うてみるわ」
「まあ正直な」
「正直?」
「二人で酒を全部飲み尽したら」
その時はというと。
「痛み分けでな」
「それでやね」
「終わりってことでな」
それでというのだ。
「そうした風で」
「飲み比べやね」
「やったらええわ、二人共どんなお酒でもいけるみたいやし」
「そやね」
綾乃は今もウォッカを飲みつつ応えた。
「うちかてやし」
「日本酒でもウォッカでもな」
「飲めるし」
「それやとな」
「今度はね」
「エカテリーナちゃんに話を持ちかけて」
そうしてというのだ。
「よしって言うてきたらな」
「その時はやね」
「飲み比べたらええわ」
「それで勝負するんやね」
「まあ勝っても負けてもどうってことないけどな」
芥川は笑って話した。
「どっちが飲む量多くても」
「それでもやな」
「そや、それでもや」
まさにというのだ。
「大したことやない」
「どっちがよおさん飲むか」
「それだけやしな、けどな」
「飲むこと自体楽しいし」
「やってみたらええわ」
「ほなそうしてみるわ」
綾乃は飲みつつ応えた、この日彼女は十人の中で最もそれも桁外れに飲んだ。そうして神々に勝ったことを祝ったのだった。
第八話 完
2023・1・1
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