神々の塔
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第八話 生贄の神々その十三
「それでやねん」
「十五歳になって」
「はじめて飲んだ時も」
その時もというのだ。
「うち二升空けたわ」
「日本酒をなのね」
「はじめて飲んだ時にそれで」
二升飲んでというのだ。
「周りの人等驚いてたわ」
「そら驚くわ」
芥川は今驚いていた。
「はじめはな」
「ほんのちょっとやね」
「そうして飲むもんやからな」
普通はというのだ。
「それがや」
「最初から二升やと」
「誰でも驚くわ」
それこそというのだ。
「ほんま凄いな」
「それでやねん」
綾乃はさらに話した。
「次呑んだ時ウイスキーをな」
「蒸留酒をかいな」
「ストレートで七本空けたら」
そうしたらというのだ。
「もっとな」
「驚かれたんか」
「そうなったわ」
まさにというのだ。
「ほんまにな」
「二度目でそれかいな」
「それで酔ったけど」
それでもというのだ。
「全然な」
「酔い潰れんかったか」
「酔い潰れたことないから」
綾乃はというのだ。
「それで二日酔いもな」
「せんかったか」
「そやってん」
「やっぱりエカテリーナちゃんにも負けてへんな」
中里も言った。
「それだけ飲めたら」
「そやろか」
「いや、二升も凄いが」
それだけでなくというのだ。
「ウイスキーをな」
「ボトル七本は」
「ちょっとやそっとやとな」
それこそというのだ。
「飲めんで」
「一本でもな」
シェリルも言った、彼女もビールを飲んでいる。
「それはな」
「ないねんね」
「ああ、僕も飲むけど」
中里はこう言いつつ今はビールを飲んでいる。
「それでも一本飲むのはな」
「難しい?」
「いや、結構酔って二本目はどうか」
「飲めるか」
「難しいところや」
「そうなん」
「それを七本飲んで」
そのうえでというのだ。
「酔い潰れも二日酔いもないんは」
「中里君はあかんのん」
「流石にな」
「そうなん」
「一回起きた世界で飲み比べたらどうやろ」
芥川はビールのジョッキを空けてから言った。
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