星河の覇皇
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第八十三部第三章 今だ目覚めずその四十三
「何度考えましても」
「敵の姿が見えない」
「レーダーには一切映らない」
「視認も出来ないなぞです」
「不思議です」
「連合軍のステルス性能でも」
これでもというのだ。
「何とか確認出来ます」
「サハラの軍事技術なら」
「サハラは軍事技術が特化しています」
これは戦乱の世界だったからだ、戦乱の中にあっては軍事技術が特化していくことも当然と言えば当然だ。
「ですから」
「連合軍のステルス技術でもです」
「サハラならば確認出来ます」
「オムダーマン軍が何らかの手段であの技術を手に入れても」
連合軍のステルス技術をというのだ。
「そうしても」
「それでもです」
「我々は防げる」
「左様ですね」
「そうだ、だからだ」
それでというのだ。
「あれが何か」
「わからないですね」
「連合の日本の忍者の様です」
こう言う者もいた。
「見えないのですから」
「忍者か」
艦長はその者の言葉に反応して応えた。
「あの影の者達か」
「闇に潜み闇に生きる」
「そうした者達だったな」
「その忍者はです」
「姿を見せずだったな」
「そうして仕掛けてきます」
「その様にか」
「思います」
まさにというのだ。
「私は」
「そう言われるとな」
艦長にしてもだった。
「似ているな」
「忍者にですね」
「どうもな」
「謎の攻撃は」
「姿を見せず手裏剣を投げる」
「忍者はそうですね」
「サハラでもそう言われているな」
連合でもそうだがサハラでは忍者は誤解されている、自由に姿を隠し敵を忍者刀や手裏剣で秘かに倒す超絶的な強さを持つ武芸者とだ。
「忍者は」
「そうです」
「その忍者とですね」
「似ていますね」
「言われてみますと」
艦橋の多くの者達も忍者の話に頷いた。
「そう言われますと」
「左様ですね」
「このことは」
「それはですね」
「私も思う」
艦長としてもだった。
「そうな」
「左様ですね」
「このことは」
「あまりにもですね」
「忍者的ですね」
「そうだ、だとすると」
艦長はさらに言った。
「オムダーマン軍は何らかのか」
「特別な隠密能力を持っている兵器を使っている」
「魚雷を搭載した」
「そうしたものをですね」
「あの国は使用していますか」
「そうだろうか、だが」
それでもとだ、彼はまた言った。
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