イベリス
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第八十八話 合宿を過ごしてその四
部活に入った、それは咲も同じで。
倉庫で先輩が話してくれた二つの作品を読んで驚き笑った、特に笑いが凄まじいものがあってだった。
自分でも驚く位笑って同級生に話した。
「このマカロニほうれん荘ってね」
「面白いの」
「もう最高よ」
笑い転げそうになりながら話した。
「こんな面白い漫画ないわよ」
「そんなになの」
「これは凄いわ」
こうも言うのだった。
「本当にね」
「そこまでなの」
「兎に角全力なのよ」
「全力って何がよ」
「笑わせるって気迫がよ」
まさにそれがというのだ。
「出てるのよ」
「そうした漫画なの」
「そうなの」
まさにというのだ。
「だからね」
「面白いの」
「笑わせようと思って」
それでというのだ。
「全力でね」
「描いてるのね」
「だから面白いのよ」
「笑わせようと思って描いてるから」
「全力のパワーがあってね」
それでとだ、咲は話した。
「面白いの」
「そうなのね」
「ええ、これってね」
咲はさらに言った。
「お笑いの原点かもね」
「そういえば落研会の子も言ってるわ」
同級生はここでこう言った。
「昭和のお笑いは笑わせるってね」
「そうした考えなの」
「それで落語も漫才もやってるって」
「笑わせるね」
「お客さんそして聴いて観てる人達をね」
その彼等をというのだ。
「そうしてるって」
「そうなのね」
「絶対に内輪で受けたりね」
同級生はさらに話した。
「そこからのし上がろうとか」
「芸能界で」
「そう考えていないってね」
「あくまで笑わせるね」
「お客さんがどんな時でもね」
「どれだけ落ち込んでいても」
「やっぱり笑えない時ってあるわよね」
同級生は言った、人生色々とあるものだ。その中で絶望や苦難を経験することもある。そうした時は笑いにくいものだ。
「どうしても」
「そうした時になのね」
「むしろそうした時こそね」
是非にというのだ。
「笑ってもらう」
「そう思ってなのね」
「もう全力でね」
「笑わせにかかってるのね」
「まさに誰でもね」
笑えない様な状況の人でもというのだ。
「心からよ」
「笑わせるなの」
「そうしたね」
「お笑いなのね」
「昭和のお笑いはよ」
まさにとだ、同級生は咲に話した。
「そうした気迫だったみたいよ」
「そうだったの」
「漫才でも落語でもコントでもね」
「それで漫画でもなのね」
「そう、お笑いなら」
それこそというのだ。
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