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X ーthe another storyー

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第七話 沖縄その九

「では今から」
「ええ、地の龍の集まるね」
「あの場所にですね」
「貴方も来てもらうわ」
「そうですか、ですが」
「貴方は地の龍でもね」
「決してです」
 まさにというのだ。
「人間の滅亡は望んでいません」
「わかっているわ、けれどね」
「それでもですね」
「貴方も地の龍で」
 その一人であってというのだ。
「仲間で力もね」
「必要だからですか」
「来てもらうわ」
 こう言うのだった。
「いいわね」
「はい」 
 牙暁は拒むことなく答えた。
「それでは」
「もう人は沢山来てもらっているから」
「地の龍のことは隠して」
「そのうえでね」
「その場所まで、ですね」
「貴方を運んでもらうわ」
「わかりました」
 牙暁は頷いて応えた。
「それでは」
「これからね」
「お願いします」
 こうしてだった。
 庚は牙暁を地の龍の場所にまで連れて行った、だが。
 庚が呼んだ者達は彼をある場所の前まで運んでだ、そのうえで庚に対していぶかしみながら尋ねた。
「あの、ここ都庁ですが」
「俺達間違えました?」
「ここでいいんですよね」
「ええ、いいわよ」
 庚は作業員たちに笑顔で応えた。
「それでここまででね」
「いいんですか」
「俺達が運ぶのは」
「ここまでなんですか」
「お疲れ様、お金はもう会社にお話してるから」
 既にというのだ。
「また何かあったらお願いするわ」
「わかりました」
「じゃあ俺達はこれで」
「帰らせてもらいます」
「後は私達がやらせてもらうわ」 
 こう応えてだった。
 庚は牙暁を運んでくれた者達には帰ってもらいそこからは遊人達を呼んでそのうえで牙暁を中に運び入れた。
 そうしてだ、彼等に笑って話した。
「これで四人ね」
「地の龍は」
「ええ、そうなったわ」
 颯姫に答えた。
「残りは三人、けれど一人はね」
「わかっているのね」
「添え星の彼はね」
「添え星?」
「もうすぐ会うかも知れないわ、いえ」
 ここでだ、庚は。
 遊人を見てだ、こう言ったのだった。
「もう会っているかもね」
「あっ、彼ですか」
 遊人は庚の言葉に気付いた笑みで応えた。 
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