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X ーthe another storyー

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第七話 沖縄その八

「あの人ともですね」
「会える、小鳥にもな」
「神威さんの幼馴染みの人ですね」
「あの人ともな」
「では今度ですね」
「あの神社に来てくれ」
「それじゃあ」
「あの」
 ここでだ、この場ではこれまで沈黙を守っていた丁が口を開いた。
「実は四人目の天の龍がです」
「来ているのか」
「今しがた」
「はじめまして」
 征一狼が出て来てだ、一同にお辞儀をしてから話した。
「蒼軌征一狼です、風使いです」
「実は僕の親戚の方でして」
 玳透も出て来て言ってきた。
「従兄にあたります」
「玳透に声をかけてもらいまして」
 征一狼は優しい笑顔で述べた。
「時が来たと知り」
「来てくれたんですね」
「左様ですね」
「そしてです」
 艇は俯き目を閉じてさらに話した。
「五人目の方もです」
「間もなくですか」
「来てくれます」
「そうなのですね」
「天の龍は集まっています」
 丁はこうも述べた。
「それは即ちです」
「戦いがはじまるということか」
「本格的に」
 今度は神威に答えた。
「まさに、ですが」
「それでもか」
「皆さんが団欒の時を迎えることはいいことです」
 このことについては否定しなかった。
「親睦を深め」
「そうしてか」
「絆もです」
 これもというのだ。
「そうして下さい」
「ではな」
「その時に五人目の方も来られれば」
 そうであるならというのだ。
「いいかと」
「わかった、ではな」
「わらわによいお話を聞かせて下さい」
「封真達の家でのか」
「是非共」
「そうさせてもらう、ではな」
 ここまで話してだ、神威は自分のアパートに戻った。その頃都内のあるホテルの最上階においてだった。
 庚はホテルの者達にだ、笑顔で話した。
「それではね」
「あの部屋の方をですか」
「そちらの施設にですね」
「移動させてもらうわ」
 ホテルの者達に理知的な笑みで話していた。
「是非ね」
「わかりました、それでは」
「これより」 
 ホテルの者達も頷いてだった。
 その部屋を開けた、そしてその中で装置に囲まれて眠っている牙暁に声をかけた。
「時が来たわ、一緒に行きましょう」
「・・・・・・・・・」
 眠っている牙暁は答えない、だが。
 庚の頭の中にだ、こう言った。 
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