八条学園騒動記
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第六百八十七話 カナディアンサンドイッチその三
「それにするわ」
「鯨のステーキなんだ」
「カナダのね」
「鯨のステーキって日本にもあるね」
トムは鯨のステーキと聞いて言ってきた。
「そうだね」
「ええ、それで評判がいいわね」
「そうだよね」
「日本では昔からね」
「鯨も食べてるね」
「ステーキにもして」
「他のお料理もあるね」
トムはさらに話した。
「お刺身とか」
「お鍋とか揚げたりもして」
「それでさらしたりね」
さらし鯨である。
「ベーコンにもよ」
「色々なお料理にするね」
「それでステーキにもだね」
「してね」
そうしてというのだ。
「食べてるわ」
「そうだよね」
「鯨料理っていうと日本よ」
メアリーは言い切った。
「やっぱりね、けれどね」
「それでもだね」
「ええ、カナダもね」
「鯨食べて」
「そうなって」
食文化が変わったのだ、この時代の連合では鯨はどの国でも食べる。このことはかつて捕鯨反対国だったオーストラリアも同じだ。
「それでね」
「我が国もだね」
「食べる様になって」
それでというのだ。
「ステーキにもね」
「しているね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「今はね」
「それでだね」
「今夜はね」
「鯨のステーキだね」
「それを作って」
そうしてというのだ。
「紹介しましょう」
「それではね」
「鯨もいいわよね」
「美味しいよね」
「昔はね」
メアリーは少し首を傾げさせつつ話した。
「日本以外ではね」
「食べなかったんだ」
「韓国でも食べていたけれど」
それでもというのだ。
「主にね」
「日本で食べられていたね」
「それで昔からお店もね」
「鯨料理のなんだ」
「あったのよ」
「そうなんだ」
「ええ、ただ二十世紀の終わりから二十一世紀のはじめにかけて」
この頃はというと。
「捕鯨反対運動があってね」
「ああ、あれだね」
トムは従姉の話に思い出した様に応えた、この時代ではもう歴史の一ページになっていることである。
「あの変な運動だね」
「環境保護って言ってもね」
「カルトみたいなね」
「おかしなことだったけれど」
「その運動があった頃はなんだ」
「日本も他の国から言われて」
それでというのだ。
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