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神々の塔

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第六話 宿屋と道具屋その四

「聞いたわ」
「そやね、そういうことやから」
「神霊との戦いの前には」
「ちゃんと宿屋に入って」
「そのうえでね」
「休もうな」
「そして万全の状態に整えて」
 そうしてとだ、アレンカールは話した。
「行きましょう」
「そうしよな」
「神霊との戦にね」
「そういえば四霊獣との戦いでもそやったし」 
 体力と気力は万全だった。
「神霊との戦いは」
「万全の状態で挑む様にしてるのね」
「うち等が」
「考えてるわね、まあね」
 アレンカールは考える顔で綾乃に話した。
「人が神霊と戦おうと思ったらね」
「尋常なことやないさかい」
「そやからよね」
「万全やないとね」
「戦えないわ」
「それで神霊もそう言ってくるんやね」
「そういうことね、フェアで」
 アレンカールはそのことをこう評価した。
「それでね」
「こちらもそうせんとね」
「礼儀やし」
「仮にも相手は神霊で」
「人より遥かに高位の存在で」
「そのことも頭に入れて」
「ちゃんとせんとね」
 こちらもというのだ、人の方も。
「あかんということよ」
「そやね、ほな」
「次の階に行く前は宿屋に入りましょう」
「それで体力と気力を全快させましょう」
「次の階への階段のすぐ傍にあるっていうし」
「そうしていきましょう」
「正直四霊獣との戦は洒落にならんかった」 
 羅は先の神霊達との戦を振り返って述べた。
「勝ったにしてもな」
「大変やったね」
「体力も気力もかなり消耗したわ」
「ほんまにね」
「神霊は普通でも強いが」
 羅はこうも言った。
「ただ姿を表した時も」
「それでうち等星の子クラスやし」
「それが覚醒するとな」
「もううち等でもな」
「束にならんとや」
 そうして戦わなければというのだ。
「敵わん」
「ほんまにそやね」
「そうした相手と戦うとなると」
「やっぱり万全やないとね」
「そやな」
「ほなね」
「次の階に行く時はな」
「ちゃんとやね」
「宿屋に入って」
「休もうな」
「そやな、それにや」
 メルヴィルは笑ってこうも言った。
「宿屋にお風呂でもあったらな」
「入るんやね」
「そしてな」 
 そのうえでとだ、メルヴィルは綾乃に話した。
「身体奇麗にして」
「気分もやね」
「すっきりさせんとな」
「お風呂はその効果もあるさかい」
「この世界でもあるとないで」
「冒険の時でも」
「全くちゃうから」
 だからだというのだ。 
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