神々の塔
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第六話 宿屋と道具屋その三
「まずはな」
「体力や気力を回復させてか」
「これまで塔を進み疲れている身体もな」
「休めろっていうんか」
「神は傷付いている人の相手はしない」
決して、そうした言葉だった。
「万全の相手とだ」
「戦うか」
「そうしているからな」
「それでか」
「まずはだ」
何と言ってもというのだ。
「そうしてだ」
「次の階にか」
「来るのだ」
こう言うのだった。
「いいな」
「そういえばこの塔宿屋や道具屋もあるわ」
綾乃が言ってきた。
「そうやさかい」
「それでか」
「この神様が言われるのはな」
「十一階に進む前にか」
「多分この階に宿屋と道具屋があって」
それでというのだ。
「そのうえでな」
「一泊して身体を休めてか」
「体力と気力も全快させて」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「この神様達と戦うか」
「そうしよな」
「左様、我等がいる階に進む階段のすぐ傍に宿屋と道具屋がある」
クマゾッツも言ってきた。
「我等と戦う前にだ」
「そこでやね」
「休むことだ」
是非にとだ、神は綾乃に話した。
「いいな」
「そうさせてもらうわ」
「何度も言うが神は傷付いた人と戦う趣味はない」
「万全の状態でやね」
「戦いだ」
そうしてというのだ。
「勝ってみよ」
「そう言うんやね」
「そうだ」
まさにという返事だった。
「わかったな」
「ほな次の階上がる前に」
「必ずそうせよ、若しそうせず来たならば」
クマゾッツは強い声で話した。
「我等は追い返す」
「万全の状態やないと」
「我等を侮るなともな」
その様にもというのだ。
「思うしな」
「万全の状態でないとやね」
「神霊に勝てるか」
「そう言われたら」
綾乃も他の者達も思って言った。
「やっぱり」
「答えは一つだな」
「ほんまに」
クマゾッツに答えた。
「そやね」
「だからだ」
「絶対にやね」
「宿屋に泊まりだ」
そうしてというのだ。
「万全にしてから来ることだ」
「ほなそういうことで」
「楽しみに待っている」
ここまで言うとだった。
クマゾッツは姿を消した、その全てを見届けてからだった。綾乃は仲間達に対してあらためて話した。
「皆聞いたね」
「ええ、確かにね」
アレンカールが応えた、他の仲間達もその通りという顔で頷く。
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