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X ーthe another storyー

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第七話 沖縄その六

「もう今お話することはなくなったから」
「だからか」
「ええ、また会いましょう」
 神威を見て彼に告げた。
「それではね」
「またか」
「決断したら迎えに来るわ」
 最後にこの言葉を残してだった。
 庚は姿を消した、後には丁が残ったがその丁も言ってきた。
「ではわらわも」
「これでか」
「去ります」
 こう神威に告げた。
「そしてです」
「待っていてくれるか」
「決断の時は近付いています」
 神威のそれのというのだ。
「ではわらわはです」
「その時を待つか」
「そうします」
「そうか、俺も決める」
 神威は確かな声で答えた。
「その時まで待っていてくれ」
「そうさせて頂きます」
「それではな」
 神威の夢はここで終わった、目覚めるとその日は休日で。
 彼は誰にも言わず封真の試合を観に行った、試合は彼の活躍もあり自分達の高校が勝ち優勝を果たしたが。
 試合の後だ、封真はチームメイト達に笑顔で話した。
「神威が観に来てくれていた」
「司狼がか?」
「確かあいつお前の幼馴染みだったな」
「あいつ会場に来てたのか」
「そうだったのか」
「ああ、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「観に来てくれていた」
「そうだったんだな」
「あいつ最近少し笑う様になったらしいな」
「今まで本当に不愛想でな」
「何考えてるかわからない奴だったけれどな」
「いや、あいつは元々そんなに不愛想じゃなかったんだ」
 封真は微笑んで話した。
「昔のあいつに戻ったんだな」
「へえ、あいつそうだったのか」
「昔はもっと笑う奴だったか」
「そうだったんだな」
「ああ、観に来てくれてよかった」
 神威がいた場所を観つつ話した。
「本当にな」
「そのお陰で勝ったのかもな」
「桃生途中からさらによくなったしな」
「あいつの姿観てからか?」
「そう思うと今日はあいつのお陰だな」
「桃生の動きがよくなって勝てたからな」
「そうかもな」
 こんなことを話してだった。
 封真は仲間達と共に勝利を喜んだ、そのうえで会場を出て学園の方に向かうと暫くしてだった。
 前をあるく神威と出会った、それですぐに声をかけた。
「おい神威」
「封真か」
「試合を観に来てくれていたな」
「ああ」
 微笑んでの返事だった、身体を向けたうえでの。
「時間があったからな」
「悪いな」
「気にするな、それよりもだ」
「どうしたんだ?」
「俺は今まで頑なだった」
 自分から言った。
「少し思うところがあってな」
「今は違うな」
「この通りだ」
 微笑みはそのままだった。 
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