神々の塔

「この塔では我等神霊は倒されるとだ」
「退いてか」
「戦を見守る」
「そうするんやな」
「そうする決まりになっている」
「そやねんな」
「だから我もだ」　
　中性的なその声で話した。
「倒されたからな」
「もう戦わんか」
「見守らせてもらう」
　こう言うのだった。
「お主達の戦をな」
「そうか、何か敵って感じがせんな」
　戦ってもとだ、施はその話を聞いて述べた。
「どうも」
「では何と思う」
「試練や」
　それだとだ、施は朱雀に答えた。
「それに感じるわ」
「その通りだ、この塔での戦いはだ」
「敵との戦いやなくてか」
「試練だ」
　施の言う通りそれだというのだ。
「それなのだ」
「そやからやな」
「我等は神霊に勝つ試練を遂げたならな」
「もう戦わんか」
「乗り越えたと判断してな」
　その試練をというのだ。
「そうする」
「そういうことか」
「左様、では次の試練もだ」　
　これもというのだ。
「乗り越えてみせよ」
「ほなな」
「次は玄武や」
　芥川がここで言った。
「シェリルちゃんと力を合わせてな」
「今度は八人で戦うな」
「そや、玄武は防御力が高いが」
　施に述べた。
「亀だけあってな」
「その防御力を貫いてか」
「そうしてや」
　そのうえでというのだ。
「勝つで」
「そうするか」
「戦いは続いてる」
　朱雀とのそれのままにというのだ。
「そやからな」
「このままやな」
「玄武との戦に入るで」
　こう言ってだった。
　芥川達七人は玄武を足止めして戦っているシェリルのところに来た、シェリルは天蛇に乗って多くの龍達を従えてだった。　
　そのうえで玄武と戦っていたが。
「苦戦してる様やな」
「いや、全然や」
　隣に来たトウェインに無表情で応えた。
「このままいける」
「ほんまか」
「自分等が来たからな」
　ここで微笑んで述べた。
「来ると思ってたで」
「信じてくれてたか」
「仲間やからな」
　それでというのだ。
「それまで持ち堪える様にな」
「やってきたか」
「ああ、しかしほんま強いわ」
　シェリルはあらためて言った。
「本当の力出した神様はな」
「朱雀も強かったで」
　施もシェリルの隣に来て言ってきた。