| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ハッピークローバー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六十五話 日本の夏の料理その九

「色々な人がいて色々な場所がね」
「ありますか」
「あたしと吉君は葛飾だけれど」
 それでもというのだ。
「ほかにもね」
「色々な人がいて場所もですね」
「色々なんだよ」
「そうですか」
「遊ぶ場所も多いしね」
「渋谷とか原宿とか」
「あと新宿もね」 
 こちらもというのだ。
「あるしね」
「新宿って言うと歌舞伎町ですね」
「まだ行ったことないけれどね」
「凄い場所らしいですね」
「危ないけれどね」 
 治安には不安があるというのだ。
「楽しい場所らしいね」
「そうらしいですね」
「他にも色々な場所があってね」
「人もですか」
「多いんだよ、外国の人だってね」
「やっぱり関西より多いですか」
「絶対にね、ただね」 
 ここで麻友はこうも話した。
「外国のお料理のお店も多いけれど」
「何かあります?」
「結構日本人の舌に合わせてるってね」
「言われてますか」
「そうかもね」
 こう話すのだった。
「日本だしね」
「それならですね」
「味はね」
 どうしてもというのだ。
「日本人に合わせて」
「そうしてですか」
「アレンジしていてね」
 それでというのだ。
「本来の味とはね」
「違いますか」
「そうかもね」 
 かな恵に少し考える顔で話した、そしてだった。
 素麺が湯で終わって水を切って冷やしてだ、また言った。
「お素麺だってね」
「これもですか」
「外国で食べたら」
 その時はというのだ。
「あたし達から見たらだよ」
「違うってなりますか」
「日本の中でもおつゆが違うんだよ」
 関東と関西ではというのだ。
「それならだよ」
「外国だと」
「お素麺でもね」
「違いますか」
「あれじゃないの?韓国だと冷麺みたいにね」
「ああした風にですか」
「食べる国もね」
 まさにというのだ。
「あるだろうね、というか韓国だとね」
「そうした風にして食べますか」
「もうね」
「それがですね」
「韓国の食べ方だからね」
 それ故にというのだ。
「キムチ入れてだよ」
「コチュジャンとかも入れて」
「そしておつゆに漬けるんじゃなくてね」
「冷たいスープにですね」
「入れてね」 
 そうしてというのだ。
「食べるだろうね」
「まさに冷麺ですね、何か」
 かな恵はここまで聞いて述べた。
「それはそれで」
「美味しそうだね」
「はい」
 そうだとだ、かな恵は答えた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧