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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百三十四話 徐庶、敵陣を見るのことその六

「問題」
「生きている人なら」
「生きていないならいい」
 呂布はここでもぽつりとした口調だった。
「そういうこと」
「あっ、そうですね」
 呂布に言われてだ。それでだった。
 徐庶ははっとした顔になった。それでだった。
 そこからだ。すぐに考えに入りだ。それから言ったのだった。
「それではです」
「どうするの?ここは」
「はい、お人形さんを作りましょう」
「それでそのお人形さんをなのね」
「はい、それぞれの陣に送り込んでそのうえで」
 陣を見ようとだ。徐庶は劉備に述べた。
「これでどうでしょうか」
「そうね。それじゃあ」
 劉備もだ。徐庶のその言葉に頷きだ。そしてだ。
 そのうえでだ。こう言ったのだった。
「まずはお人形さんを作ってね」
「敵陣を確めましょう」
 こうしてだ。十絶陣を把握することになった。しかしだった。
 時は限られていた。それでだ。
 手の器用な面々が集まりだ。そしてだった。
 そうしたものを作ることを得意とする李典がだ。彼等に話すのだった。
 今彼等は陣中の大きな天幕の中で作業をしている。その中でだ。
 人形をせっせと作っている。丁度頭のところを作りながらだ。
 李典はだ。クーラに尋ねた。
「そっちどないや?」
「順調」
 上手にできているというのだ。
「一つできそう」
「そっか。十絶陣やからな」
「十体でいいんだね」
「そや、それだけや」
 李典は今度は人形に顔をかきながらアルフレッドに答えた。
「それだけあればええんや」
「それじゃあどれ位でできるかな」
「できるだけ早い方がいいだろうな」
 ビリーもだ。作業に加わっていた。
 彼は服の刺繍をしながらだ。それで言うのだった。
「明日にでもな」
「まあ徹夜はあかんで」
 李典はそれは駄目だと言った。
「敵は何時来るかわからんさかいな」
「それでは交代でか」
「そや、休んでや」
 李典は隣で同じく作業をしている楽進に答えた。
「うちもそうするさかいな」
「だから人を多く集めたのか」
「そういうこっちゃ」
「成程な。人が多ければそれだけだな」
「仕事もはかどるさかいな」
 極論すれば人海戦術だった。李典はそれで作業を進めていくというのだ。
 そんな話をしているうちにだ。早速だった。
 一体ができ服が着せられる。それは誰の人形かというと。
「よし、できたぞ」
「上手やなあ、これはまた」
 李典は夏侯惇の誇らしげな声に応えてその人形を見た。テリーの人形だった。帽子まで忠実に再現されている。
 その帽子まで見てだ。李典は感嘆の言葉を出したのである。
「いけるで、これ」
「そうか。どうだテリー」
「ああ、俺からも合格だ」
 その本人もだ。親指を立てて笑みで返す。
「またえらくそっくりだな」
「私の自信作だ。秋蘭にも手伝ってもらった」
「あんた意外と器用なんだな」
 テリーもこれまで夏侯惇は猪女と思っていたのだ。しかしだ。
 意外なまでに上手なその人形を見てだ。感嘆して言ったのである。
「こういうの得意なんだな」
「うむ、慣れているしな」
「慣れている?」
「実は姉者はだ」
 ここで夏侯淵がだ。テリーに話してきた。
「いつも華琳様の人形を作って愛でているのだ」
「へえ、そうだったのか」
「そうだ。それでだ」
「人形を作ることは得意か」
「そうなのだ」
「けれど料理はあれだろ」
 テリーはここでこのことも言った。
 
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