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神々の塔

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第四話 党の前でその九

「出発しような」
「そうしよな」 
 綾乃は笑顔で応えた、そうしてだった。
 十人で和風の朝食を食べてから出発した、地下世界の塔のすぐ傍にある街にまで道具を使って瞬間移動してだ。
 塔を観た、その塔は隆々と聳え立ち。
 地上への土壁を貫いていた、中里はその塔を観て言った。
「バベルの塔よりもな」
「ああ、あの塔は高いで」
 芥川も塔を観つつ言った。
「それこそな」
「この地下世界から地上に至って」
「そしてや」
 そのうえでというのだ。
「天空までや」
「至ってるさかいな」
「もうな」
 それこそというのだ。
「バベルの塔よりもや」
「高いな」
「何万階もな」
「あるな」
「ああ、しかしな」
「それでもやな」
「タゴール達は踏破してな」
 その何万階もある塔をというのだ。
「その前にもや」
「踏破した人がおったな」
「そや」 
 こう中里に話した。
「それも一人でな」
「一人で無数の神霊に勝ってか」
「踏破したんや」
「物凄い人もおったもんやな」
「ああ、この世界にもな」
「その人こそほんまもんやな」
 中里はこうまで言った。
「つくづく思うわ」
「僕もや、一人でもした人がおる」
「それに対して僕等は十人」
「一人が出来てな」
「十人で出来へんか」
「そんな筈ないやろ、タゴール達かてな」
 先に踏破した枢軸の神星の彼等はというのだ。
「踏破したんや」
「三人でな」
「一人で出来て三人で出来へんか」
「それはやな」
「言うまでもない、そしてな」
「十人やとどうかやな」
「そや、しかも最強の十人や」
 芥川は不敵な笑みでこうも言った。
「そやったらな」
「踏破出来るな」
「踏破するやな、綾乃ちゃんの言うには」
「そやで、踏破するで」 
 その綾乃が言ってきた。
「今から」
「そういうことやな」
「そやで、ほな皆で」
「この十人でな」
「塔に向かって」
「中に入ってな」
「踏破するで」
「何万階をな」
「千里の道も一歩から」
 アレンカールは笑って言ってきた。
「それが万里でもね」
「一歩からやね」
「はじまって歩いていけば」
 一歩ずつそうしていけばというのだ。
「必ずね」
「最後までいけるで」
「そうやからね」
 綾乃に笑って話した。
「今から中に入ろうな」
「ほなね」
「中には神霊だけやなくて」
 綾乃等の内部の話もした。 
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