恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百三十四話 徐庶、敵陣を見るのことその三
このことをだ。張梁はあらためて話したのである。
「どんなのでもなれるのよ」
「それこそ楽器や何でもか」
「まあ妖怪って言ってもいいけれど」
「妖怪仙人か」
「そう言うかもね。まあとにかくね」
「あらゆるものが仙人となれるのだな」
「そういうこと。そこから考えて」
どうかとだ。張梁はさらに話していく。
「于吉はどう見ても人間じゃない」
「人間からなった仙人よね」
「あの気配は」
張角と張宝も述べる。
「左慈もそうだけれど」
「人間ね、元々から」
「で、それに対して司馬尉よ」
もう一人だった。ここで問題になるのは。
張梁はその右手の人差し指を立てて教師の様に一同に話していく。それで言うことは。
「あいつは九頭に九尾の狐だから」
「リョウシツか」
示現がぽつりと呟く。
「あの妖狐が」
「そう、妖怪仙女そのものだから」
それ故にだとだ。張梁もその顔を険しくさせて述べる。
「十絶陣はね」
「司馬尉仲達が」
「そう考えて間違いないと思うわ」
「けれど。ああした陣ってね」
張角も仙術を使う立場から述べる。
「一つを使うだけでもかなりのものなの」
「あの陣は確か」
張宝も話す。
「かつて殷と周の戦いの時に使われたわ」
「また随分と大昔だな」
趙雲は殷と聞いてこう述べた。
「そこまで遡るか」
「そう。その時に殷についた一聖九君がそれぞれ使ったものだから」
「一聖九君?」
「その人間以外のものからなった仙人達の領袖達よ」
実際に取り仕切るだ。大臣の様なものだというのだ。
「その彼等が使った陣だから」
「おい、領袖達が使った陣かよ」
馬超はここから言った。
「仙人を取り仕切る連中の中でもそんな奴等が使う宝貝って」
「そう、それぞれが絶大な力を持っているの」
まさにそうだと述べる張宝だった。
「一つ一つを使うのも容易ではないわ」
「それを一度にか」
「十個も使ってるのかよ」
趙雲も馬超もこのことに驚きを隠せない。
それでだ。二人はそれを使う司馬尉について話すのだった。
「司馬尉仲達、やはりな」
「とんでもねえ妖術の持ち主だな」
「伊達にこの世界を滅ぼそうと考えるだけはあるな」
テリーもだ。歯噛みしながらも司馬尉のその強さを認めた。
「とんでもねえ奴だぜ」
「そしてその十絶陣ですが」
また徐庶が話してきた。
「それぞれ入ればです」
「死ぬのだ?」
「はい、死にます」
徐庶は張飛にはっきりと答えた。
「血水になって」
「身体も消えてしまうのだ」
「それだけ十絶陣の力は凶悪なのです」
「うう、それは危ないのだ」
張飛も引くまでにだ。危険なものであることは明らかだった。
「じゃあそんなところ入られないのだ。
「はい、絶対にです」
「じゃあどうすればいいのだ?」
「周は殷に勝っています」
徐庶は今度は歴史的事実から話した。
「つまり十絶陣はです」
「破られている、か」
「太公望と彼に味方した仙人達に」
そうなったとだ。徐庶は今度は関羽に話した。
このことを聞いてからだ。関羽は腕を組み考える顔になりだ。
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