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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百三十四話 徐庶、敵陣を見るのことその二

「太公望の打神鞭ですよね」
「はい、あれ等です」
「他にも多くのものがありますけれど」
「そうした仙人が仙術で使う道具です」
 そうした広範囲なものが全てだ。宝貝だというのだ。
 このことを述べてからだ。また話す徐庶だった。
「それには陣も含まれます」
「また広範囲ですね」
 それを聞いてだ。張勲が目をしばたかせながら述べた。
「宝貝には陣も含まれるとは」
「はい、他には地図等もあります」
「とかく多彩なのね」
 審配も話を聞いて述べる。そしてだ。
 そのうえでだ。審配はこんなことを言ったのだった。
「それで今問題になるのは」
「はい、誰がその陣を敷いたかですね」
「それだけれど」
 こうだ。審配は考える目で述べていく。
 そしてだ。こう徐庶に尋ねたのである。
「厳密に言うとこの場合はよね」
「仙術というよりかはですね」
「妖術になるわよね」
 こう尋ねたのである。仙術よりはむしろそちらだとだ。
「やっぱりこれは」
「そうですね。妖術はよからぬものに使うものですから」
「そこが仙術と違うから」
「仙術と妖術の違いはです」
 それは何かとだ。徐庶は審配に述べていく。
「世の為人の為になるかならないかの違いです」
「つまりそこにある心の違いね」
「はい、ですから」
 従ってだというのだ。
「あの人達が使うものは妖術になります」
「そういうことになるわね」
「それで問題は」
 張三姉妹もいた。彼女達もそうした術を少しだが使える。彼女達の場合は今では仙術になる。
 その立場からだ。張梁が徐庶に尋ねた。
「あれよね。具体的に誰が使ってるのか」
「それですね」
「そう。相当大掛かりな宝貝でね」
 それに加えてだというのだ。尚三姉妹は宝貝についても知識がある。
「そんなの誰が使えるかっていうと」
「敵の中でも限られています」
「ええと。あの于吉と」
「司馬尉だけかと」
「そうそう、于吉の感じがしないのよ」
 張梁は直感からこう見ていた。そしてだ。
 そのうえでだ。こう徐庶に話したのである。
「となるとね」
「司馬尉ですね」
「しかもね。その十絶陣って何か」
 どうかというのだ。その陣はだ。
「人間からなった仙人の使う宝貝じゃない気がするけれど」
「あっ、そういえばそうよね」
「ええ、仙人には二つの流れがあるけれど」
 張梁の今の話にだ。張角と張宝も気付いた。
 それでだ。二人も話すのだった。
「人間からなった仙人ってもっと道具にするけれど」
「他には地図とか」
「陣を宝貝にするのはやっぱり」
「人間以外からなった仙人の使うものよ」
「あれっ、何だよそれ」
 三姉妹の話を聞いてだ。覇王丸がだ。
 こうだ。彼女達に首を傾げながら問うたのだった。
「仙人って犬や猫でもなれるのかよ」
「ええ、そうよ」
 まさにその通りだとだ。張梁が覇王丸に答える。
「犬や猫どころか猿とか蛇でもなれるし」
「そうだったのか」
「木とか琵琶とか。石でもなれるわよ」
「そういえばだ」
 右京がだ。張梁の今の話から思い出したことがあった。それは。
「司馬昭だったか。あの娘の持っている力は」
「そうそう。琵琶精でしょ」
「そういうことか。他の二人にしても」
「それぞれ狐と鳥でしょ?」
「頭が九つあるな」
 司馬尉に至っては九尾だ。それだけ恐ろしい力があるということだ。
「つまりはか」
「そう、動物とかでも仙人になれるのよ」
「その素質があればか」
「仙骨とかね。そういうのがあれば」
 仙人には修業しただけでなれないものがあるのだ。元々備わっているものがなければだ。
 
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