ドリトル先生とタキタロウ
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第八幕その九
「幾つもある、これはね」
「間違いない」
「タキタロウはいる」
「この大鳥池に」
「それも一匹や二匹じゃないね」
「二十匹はいないと種として存続出来ないけれど」
それでもというのです。
「これはそれだけの数がね」
「いるんだね」
「この大鳥池に」
「間違いなく」
「うん、ただ水深が三十メートルから五十メートルだから」
それだけの深さだからだというのです。
「そこまで潜らないとね」
「見ることは出来ないね」
「結構深いね」
「ダイバーの人が潜る方法もあるけれど」
「それでもね」
「今回はダイバーの人はいないし」
それにというのです。
「そうして調べる人もまだいないね」
「そういえばいないね」
「そこまで潜ってって人は」
「どうにも」
「やっぱりここは山奥にあってね」
そうしてというのです。
「辺鄙だしね、しかも水温も低いし」
「うん、低いね」
「確かにね」
「ここ水温低いよ」
「東北にあるしね」
「しかも山奥だからね」
ここにあるからだというのです。
「そのこともあるよ」
「標高もあるし」
「それだけにね」
「実際にこの辺り寒いし」
「そそれじゃあ水温もね」
「低いよ、特に冬はね」
この季節はというのです。
「そうだよ」
「それじゃあだね」
「ダイバーの人が入るのも難しいね」
「そうだね」
「この湖は」
「そうだよ、それでタキタロウの調査もね」
これもというのです。
「あまり為されていないんだ」
「ネッシーはかなりされてるけれどね」
「ネス湖に潜った人もいたし」
「それで水中写真も撮られたし」
「何かと為されているけれど」
「あれはネス湖がハイウェイに面する様になってね」
そうなってというのです。
「人の往来も増えたし有名になり過ぎたからね」
「うん、凄くね」
「世界的にね」
「そうなったからだね」
「ネス湖は調査されて」
「ネッシーもなんだね」
「それで今も言われているけれど」
それでもというのです。
「実在がね」
「実際にいるよね」
「ネッシーはね」
「先生はいつもそう言ってるし」
「僕達も思ってるよ」
「そう、ネッシーはいるよ」
先生は確かな声で答えました。
「科学的にも言えるよ」
「そうだよね」
「先生はね」
「ただ恐竜かどうかは」
「また別だね」
「そう、別だよ」
本当にというのです。
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