ドリトル先生とタキタロウ
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第八幕その八
「刃を収める」
「そうしないと駄目だね」
「人間は」
「変わっても罪は消えないとかね」
「考えたら駄目だね」
「その考えを行うと無限に復讐が出来るけれど」
精神的にそうなるけれど、というのです。
「もうこの考えに至るとね」
「本当に復讐鬼だね」
「復讐鬼になるね」
「そうなるね」
「そうなるからね」
それ故にというのです。
「やったら駄目だよ、しかしブラック企業のお話からね」
「かなりお話したね」
「先生もね」
「人種問題のお話にもなって」
「憎しみのことにも」
「そうだね、しかしアール=ウォーレンという人は本当に複雑な人だったよ」
先生は遠い目でまた語りました。
「差別を自ら政治として先頭に立って行って」
「裁判官として差別を否定した」
「確かに複雑な人ね」
「同じ人がしたこととは思えないよ」
「全く」
「うん、若し名前が違ったら」
そうであるならというのです。
「本当にね」
「違う人がしたってね」
「そう思うよ」
「その時は」
「本当にね」
「そんな人もいたんだ」
人間の歴史の中にはです、こうお話してでした。
先生は皆と一緒にバスに乗って大鳥池に戻りました、そして大鳥池に着いてから皆にあらためてお話しました。
「さて、では湖に出て」
「また調査だね」
「それにあたるね」
「そうするのね」
「そうしようね、水質とね」
それとというのです。
「生態系に魚群探知機も使って」
「タキタロウの調査だね」
「それも行うんだね」
「そうするんだね」
「それをしようね」
朝ご飯のパンをミルクティーと一緒にお腹に入れながらお話します、そうしてその後で湖に出てでした。
そのうえで、です。先生は魚群探知機を見てお話しました。
「やっぱりね」
「反応があるんだね」
「そうだね」
「タキタロウのそれが」
「そうなんだね」
「イワナやマスでは絶対にないね」
そうしたというのです。
「大きさのね」
「お魚の反応があるんだね」
「つまりタキタロウの」
「それがあるんだね」
「確かに」
「そうだよ、あってね」
そうしてというのです。
「しかも一つや二つじゃないよ」
「幾つもあるんだ」
「じゃあタキタロウはやっぱりいるんだね」
「前の魚群探知機でも反応があったし」
「それじゃあね」
「そうだよ、それがあってね」
先生は魚群探知機の反応をさらに見つつお話します。
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