神々の塔
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第三話 準備を整えその十二
「極めてです」
「不得意なんやね」
「適性が全くありません」
そうだというのだ。
「僕には」
「そやね、太宰君は言うたら悪いけど」
こう前置きしてだ、綾乃は太宰に話した。
「武芸するイメージないわ」
「左様ですね」
「もうそれは中里君とかやね」
武芸のイメージの者はというのだ。
「ほんまに」
「左様ですね」
「あと格闘技も」
こちらもというのだ。
「どうにも」
「自覚しています、そして実際にです」
綾乃にさらに話した。
「僕は他の人に比べてそちらの成長が遅いです」
「全くやなくて」
「全くは流石にないかと思いますので」
「やってると上達するものやね」
「あらゆることが」
それがどれだけ適性のないものであってもとだ、太宰は綾乃に話した。
「そうであると思いますので事実です」
「太宰君もなんやね」
「采配や戦闘関連のステータスも上がっていまして」
レベルが上がると共にというのだ。
「特技もです」
「よおなってるんやね」
「そうなっています、ですがやはりです」
それでもというのだ。
「向き不向きがです」
「あって」
「それで、です」
「成長が遅いんやね」
「そうです、ですから僕は」
「軍を率いたり戦闘はやね」
「出来る限りしない様にしていて」
そうしてというのだ。
「身体を動かすにしましても」
「武芸はしてへんねんやね」
「そうしています、ですが水泳はしていまして」
こちらはというのだ。
「また乗馬そして運動とはまた違いますが車の運転も」
「練習してるんやね」
「そうしたことは」
「それは理由があるんやね」
「人は誰でも難を避ける時には逃げることも必要ですが」
「あっ、その時逃げやすい様に」
「そうです、水泳と乗馬をです」
その両方をというのだ。
「しています」
「徳川家康さんと一緒やね」
「まさにあの人のお言葉からです」
「難を逃れるには泳げて馬に乗れたらそうしやすいから」
「だからです」
それでというのだ。
「その二つはこの世界に来た時からしています」
「そうやねんね」
「特に水泳ですね」
このスポーツをというのだ。
「いい運動になり身体も痛めにくいので」
「されていますね」
「そうしています」
「そやねんね」
「そうです、それでなのですが」
太宰は自分のことから話題を移して綾乃に述べた。
「今日はゆっくりと眠られて」
「健康な状態でやね」
「冒険に出られて下さい」
「ほなそうするね」
「そして留守の間はお任せ下さい」
「よろしゅうやで」
綾乃は笑顔で応えた、そうしてだった。
この日は仕事をして終わると夕食と風呂を楽しんで寝た、勿論酒は飲まなかった。
第三話 完
2022・11・23
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