英雄伝説~灰の騎士の成り上がり~
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第150話
前書き
更新がいつもより遅れてしまい申し訳ありません。風邪と確定申告の資料作りの関係でしばらく続きを書く時間が取れませんでした……申し訳ありませんが確定申告が終わるまではしばらく更新はいつもより遅くなると思います(汗)
~???~
「クソが……ッ!」
「つ、強すぎるよ……」
「1体1体が僕達全員で挑まなければならないレベルの”化物”クラスの使い手なのに、それが7体もいるとか理不尽過ぎるぞ……!?」
「しかも、セプト=グリモアを乗り越える事ができたとしてもアドル君達を乗り越えないとエイドス様に辿り着く事ができないのだから、あまりにも厳しい”試練”だよ……こんな事なら素直に最初からエステル君達に同行を頼むべきだったよ……」
「頼みの綱は”援軍”だが……問題はその援軍がいつ来るかもそうだが、この特殊な場所を探り当てる事もできるかどうかだな……」
自分達の劣勢の状況にアッシュは悪態をつき、エリオットとマキアスは不安そうな表情で呟き、オリヴァルト皇子は疲れた表情で呟き、ミュラーは複雑そうな表情で呟いた。
「……!」
「それっ!!」
一方アリサ達の回復の時間稼ぎの為にそれぞれの協力者達が戦っている中マクバーンに変身したセプト=グリモアがSクラフト―――――ジリオンハザードによって発生した大火球を放つとエウシュリーちゃんはスカートを翻して無数の魔導砲弾を放って大火球に命中させた。すると無数の魔導砲弾が命中した大火球はエウシュリーちゃん達の前に辿り着く前に大爆発を起こした事で敵のSクラフトは無効化された。
「ふう、何とかしのげましたね~。」
「あの火焔魔人の大技まで防ぐとか、冗談抜きで何なのよ、アンタは……」
「フフ、エウシュリーちゃんは”メイド天使”ですわよ?――――――それよりも、次が来ますわ……!」
安堵の溜息を吐いて呟いたエウシュリーちゃんを疲れた表情で見つめながら呟いたサラに微笑みながら指摘したシャロンは敵が次の攻撃の動作に入っている事に逸早く気づくと二人に警告して戦闘を再開した。
「……!」
「二の型―――――疾風!!」
リィンに変身したセプト=グリモアと戦っているアネラスは敵がクラフト―――――疾風を繰り出す構えを見ると相手の技を相殺する為に同じ技を繰り出したが――――――
「……!」
「しまった、”疾風じゃなくて裏疾風”……!?あうっ!?」
敵が繰り出した技はアネラスが放った技の上位技である為全ては相殺できず、ダメージを受けて怯んだ。
「頑張って下さい!!」
その時ティータがアネラスの頭上に回復弾を放つクラフト――――――バイタルカノンを放って回復エネルギーを降り注がせてアネラスのダメージを回復し
「……!」
「させるかぁっ!!」
アネラスを回復したティータを見て先にティータを無力化する事を判断した敵はティータ目掛けて炎の斬撃波を放ったが、アガットがティータの前に飛び込んで竜気を纏った衝撃波を放って相殺した。
「降り注ぎなさい、裁きの雷――――――審判の轟雷!!」
「!」
更に魔術の詠唱を終わらせたシェラザードが敵の頭上から無数の雷を降り注がせる上位魔術を発動したが頭上からの攻撃に気づいた敵は素早い動作で頭上から襲い掛かる雷を次々と回避し
「まだよっ!エニグマ駆動――――――カラミティエッジ!!」
「シルヴァリー――――――クロス!!」
「――――――!」
続けて放たれたシェラザードのアーツによる漆黒の刃とエレインの霊力を込めて十字に放たれた斬撃波をクラフト―――――無月一閃で襲い掛かる漆黒の刃と斬撃波を一閃した。
「5人相手に一人で渡り合えるなんて、新米とはいえ”剣聖”を名乗る事を許された実力は兼ね備えているわね……!」
「”剣で魔法を斬る”って……新米”剣聖”とはいえ、冗談抜きでカシウス先生や大佐クラスの八葉一刀流の剣士に成長したのじゃないかしら、”灰色の騎士”は……」
「さ、さすがにあの二人程ではないと思いますけど……それよりも今の私達の戦力じゃあ、リィン君に変身したセプト=グリモアの相手は相当厳しいですよ……」
「はい……それに勝てたとしても、エイドスさんの前にアドルさん達が控えていますし……」
「弱気な事を言ってんじゃねぇ!子爵やジンはタイマンでやり合ってんだぞ!?」」
エレインは敵を厳しい表情で睨みながら呟き、疲れた表情で呟いたシェラザードの推測を表情を引き攣らせながら答えたアネラスは不安そうな表情で呟き、アネラスの言葉にティータは不安そうな表情で頷いて答え、不安そうなアネラスとティータを見たアガットはリアンヌに変身したセプト=グリモアとシズナに変身したセプト=グリモア相手にそれぞれ一人で戦っているアルゼイド子爵とジンに視線を向けた後喝を入れた。
「チィッ!腹が立つ程オルディーネ(おれ)とそっくりで、今までやり合った連中の中で一番やり辛い相手だぜ……!――――――皇太子殿下、そっちは大丈夫か!?」
「はい……!ですがこのままでは、エイドス様の試練を乗り越える事は……!」
それぞれ1対1でオルディーネに変身したセプト=グリモアと戦っていたクロウは敵から距離を取って舌打ちをして厳しい表情で呟いた後セドリックに状況を訊ね、アルグレスに変身したセプト=グリモアと戦っているセドリックは距離を取ってクロウの問いかけに答えた後焦りの表情を浮かべてエイドスを見つめた。
「やれやれ……あの調子やとオレ達の出番はなさそうやな。」
「うん……」
「むしろあの面子を相手に未だ耐えている事自体が普通なら賞賛されるべき事でしょうね。」
「”普通なら”そうだけど、エイドスの基準は勿論違うんだろう?」
アリサ達の様子を見て溜息を吐いて呟いたケビンの言葉にリースは複雑そうな表情で頷き、静かな表情で呟いたルフィナの言葉を聞いたワジは真剣な表情でエイドスに確認した。
「勿論です。――――――彼らが”この試練に隠されている私の真の意図”に気づかなければ、何度挑んでも結果は同じでしょうね。」
「し、”試練に隠されているエイドスさんの真の意図”ですか……?そういえば始める前にクレハも同じような事を言っていたけど――――――」
ワジの確認の言葉に頷いた後に答えたエイドスの話のある部分が気になったナユタが疑問を口にしたその時
フフ、話に聞いていた以上の面白い状況になっているみたいやな?
突如女性の声が空間全体に響いた!
「女性の声……?」
「!この声は………しかし、何故”彼女”が……!?」
女性の声にガイウスは不思議そうな表情を浮かべている中声に聞き覚えがあるシャロンが血相を変えた後困惑の表情を浮かべると空間の一部に裂け目が発生した。
「フッ、まさに私達が参上する相応しいタイミングだったようだね、我が好敵手よ?」
「たったそれだけの戦力であのメンツを相手に今までよく耐えたわね。――――――よく頑張ったわ、シェラザード。」
「今度は何とか間に合ったようね。ハーケン平原での”大戦”の時に加勢できなかった帳尻はここで合わせるわ。」
するとブルブラン、ルシオラ、クロチルダがそれぞれの転位術で現れ
「ハハ、色々な意味で最高のタイミングだよ、我が好敵手……!」
「ルシオラ姉さん……!」
「ヴィータ姉さんも……!」
ブルブラン達の登場にオリヴァルト皇子、シェラザード、エマはそれぞれ明るい表情を浮かべ
「フフ、”真打ち登場”はまだ残っておるぞ!」
「ロゼ!?アンタといい、執行者の連中といい、どうやってこんな特殊な場所に来られたのよ……!?」
「そ、それに……クロチルダさん達やロゼさんが到着したという事は、”他の援軍も間に合ったんですか……!?”」
更にローゼリアも自身の転位術で現れるとセリーヌは驚きの表情で声を上げた後信じられない表情で訊ね、ある事に気づいたトワがローゼリア達に訊ねたその時
「ええ!」
「ああ!」
「はいっ!」
空間の裂け目からエステル、ロイド、リィンの声が聞こえた後裂け目からブライト家一行、特務支援課、そして灰獅子隊の面々が次々と現れた!
「エステルお姉ちゃん……!ヨシュアお兄ちゃんにミントちゃん、フェミリンスさんも……!」
「ふふっ、特務支援課もそうだが君達も来てくれる事を信じていたよ。」
「リィン――――――ッ!!」
エステル達の登場にティータは明るい表情で声を上げてエステル達を見つめ、アンゼリカは静かな笑みを浮かべ、アリサは嬉しそうな表情で声を上げてリィンを見つめた。
「んなっ!?何故、マスターが……!」
「それに”劫焔”に”蒼の騎神”、”子供達の筆頭”までいるわね……」
「恐らくどれも偽物だろうな。何せ向こうの内の何体かの”本物”は我らと共にいるのだからな。」
リアンヌに変身したセプト=グリモアに気づいたデュバリィは驚きの表情で声を上げ、エンネアと共に真剣な表情で様々なセプト=グリモアを見つめて呟いたアイネスはリィンとシズナへと視線を向け
「お、お兄様が二人……!?」
「今私達の傍にいる兄様は本物なのだから、間違いなく向こうの兄様は偽物なのでしょうけど……」
「リィンさんの”神気合一”まで使いこなしている様子ですから、下手をすれば本物のリィンさんの戦闘能力と互角かもしれませんね。」
「――――――」
リィンに変身したセプト=グリモアを目にしてリィンと見比べて困惑しているセレーネにエリゼは真剣な表情で指摘し、警戒の表情で分析したアルティナの分析にクラウ=ソラスは同意するように機械音を出した。
「オイオイオイ……!一体何があって、既に死んだ連中もそうだが味方のはずの”鋼の聖女”や”本物”のリィンと”白銀の剣聖”が俺達と共にいるにも関わらず、何でそっくりそのままの姿で放蕩皇子達と敵対しているんだ……!?」
「恐らくあれらは”影の国”で出会った変身能力がある”魔物”――――――”グリモア”かと。実際、”影の国”で戦った時もわたし自身もそうですが、エステルさん達の誰かに化けて襲い掛かってきましたし。」
「なるほど?フフ、”空の女神”の”試練”と聞いていたけど、その”前座”にも関わらずとても面白そうな相手とやり合っていたようだね。」
「フッ、我らがこの場に到着するまであの顔ぶれを相手に今までよく耐えたな。」
セプト=グリモアを見回して困惑の表情で声を上げたランディの疑問に答えたティオの話を聞いたシズナは好戦的な笑みを浮かべてそれぞれに変身したセプト=グリモアを見回し、オーレリア将軍はアリサ達を賞賛した。
「オーレリア将軍閣下……!」
「”裏の最後の戦い”に挑むリィン達に加勢する話は聞いていたが………」
「フフ、灰獅子隊に”紅き翼からの要請”が届いた際に偶然将軍も”灰色の翼”に同乗されていましたから、加勢してもらう事にしたのですわ。何せ要請の内容は”空の女神自身が殿下達に科した試練を乗り越える事の協力”ですから。」
「ハッ、大方テメェ御自慢のチートじみた読みで”羅刹”も必要と判断したんだろうが、ゆるフワ女……!」
「だけど今のわたし達にとっては心強い援軍だね……!」
オーレリア将軍に気づいたラウラは驚きの表情で声を上げ、戸惑いの表情で呟いたユーシスの疑問に答えたミュゼの説明を聞いたアッシュは鼻を鳴らして不敵な笑みを浮かべ、フィーは静かな笑みを浮かべた。
「灰獅子隊への要請……なるほどねぇ?ロイド達への”支援要請”も含めてどうやら”試練を始める前に援軍の依頼や要請もしていたようだね。”」
「ですが飛行艇を保有している”灰獅子隊”はともかく、飛行艇を保有していないエステルさん達やエリィさん達がこの短時間でどうやってユミルに………」
「フッ、一人いるではないか。”紅き翼に協力しているかつ飛行艇を保有している我らの星杯騎士”が。」
「!まさか……」
「第八位――――――バルクホルン老の仕業かいな……!?」
リィン達が現れた理由を察したワジは静かな笑みを浮かべ、困惑の表情を浮かべているリースの疑問に静かな笑みを浮かべて答えたセルナート総長の話を聞いて心当たりの人物をすぐに察したルフィナは目を見開き、ケビンは驚きの表情で声を上げた。
「フフ、その通りだ。」
するとその時空間の裂け目から守護騎士第八位――――――”吼天獅子”グンター・バルクホルンが現れ、バルクホルンに続くように守護騎士第四位――――――”赫灼の顎”セリス・オルテシアと守護騎士第十一位――――――”氷焱の聖櫃”リオン・バルタザールも現れた。
「バルクホルン神父……!」
「オルテシア卿とバルタザール卿も来て下さったのですか……!」
「いや~、まさかこの非常事態に12人の”守護騎士”の内の半数以上がエイドス様による試練によってこの場に集まるなんて、言葉通りまさに”女神による運命の悪戯”ですね~。」
「だから何でもかんでも、空の女神のせいにしないでください!」
「いや、今回に関しては完全にアンタのせいでしょうが……」
バルクホルン達の登場にガイウスとロジーヌは明るい表情で声を上げ、苦笑しながら呟いたトマスの言葉を聞いて顔に青筋を立てて突っ込んだエイドスにエステルはジト目で指摘し
「おいおいおい……!?ケビンとワジがエイドスの護衛についている話は聞いていたから二人がここにいる事は察していたが、何で総長までこんな所にいやがるんだよ!?」
「フッ、それはこちらのセリフでもあるのだがな?セリス、リオン。お前達がエイドス達に合流する時期はもう少し後の予定なのだがな。」
「フフ、予定よりも少し早く合流する事はエイドス様の護衛を建前に全員が多忙なこの時期に”慰安旅行”を楽しんでいる総長達よりはマシではないですか?」
セリスは表情を引き攣らせながらセルナート総長を見つめ、口元に笑みを浮かべたセルナート総長の指摘に対してリオンは笑顔で返した。
「クスクス……――――――これは一本取られましたね。私が”試練”を始める前に”試練に挑むメンバーはそれで全て”という貴方達に確認した際に、”現在はそうだ”という答えに隠されていた意味はこういう事だったのですね。」
「はい……!」
「へっ、先に”人数制限はない事”を言ったのはそっちだし、”援軍の禁止”はされていねぇんだから、文句は言わせねぇぜ!」
セルナート総長とバルタザールのやり取りを可笑しそう笑いながら見ていたエイドスは苦笑しながらトワ達に確認し、エイドスの確認に対してトワは力強く頷き、オルディーネの操縦席の中にいるクロウは口元に笑みを浮かべてエイドスに指摘した。
「それにしてもエステルさん達は一体どうやってこの場に来る事ができたんですか?」
「この空間はエイドスによって連れてこられた特殊な空間なのですから、ここを見つける事もそうですけど、侵入する方法は普通の方法では不可能のはずですが……」
「それに関してはウチが手を貸したからやで。」
そしてエレナとフィーナが疑問を口にすると再び女性の声が聞こえた後空間の裂け目から元結社の執行者No.Ⅲ――――――”黄金蝶”ルクレツィア・イスレが現れた。
「フフ、やはり貴女でしたか、レティ様。」
「へ……シャ、シャロンの知り合いなの……!?」
「シャロンの知り合いって事は多分、結社の”執行者”なんだろうね~。」
「ちょっと待って……あの女は恐らく結社の”執行者”で、”レティという愛称”という事は……!」
「お前さんが”結社最強”の一角を担っていた結社の執行者――――――”黄金蝶”か。」
ルクレツィアの登場に苦笑しながら呟いたシャロンの様子が気になったアリサが戸惑っている中ミリアムはある推測をし、ルクレツィアの正体に気づいたサラとジンは真剣な表情でルクレツィアを見つめた。
「その通りや。――――――元・結社の執行者No.Ⅲ”黄金蝶”ルクレツィア・イスレどすえ。よろしゅうなぁ――――――”紅き翼”のお坊はん達。」
「”黄金蝶”……結社に見切りをつけた執行者達の指名手配を解くために、ハーケン平原での”大戦”では”連合の裏の協力者”として魔女殿達が我らへの加勢に向かわせない為に妨害していたとの事だが……」
「まさかとは思うけど、”空の女神”による試練”の件を知ったアンタ達が加勢するように説得したのかしら?」
ルクレツィアが自己紹介をするとアルゼイド子爵は真剣な表情でルクレツィアを見つめながら呟き、察しがついたセリーヌは疲れた表情でクロチルダ達に訊ねた。
「ええ。相手は”本物の空の女神”なのだから、彼女の実力が必要である事もそうだけどこの空間のような異空間に突入する為にはレティの力を借りた方が手っ取り早いからね。」
「”ルクレツィアさんの力”……?」
「もしかして”空間を切り裂く力”かしら。」
「ああ。――――――正確に言えば”黄金蝶”の得物であるダスクグレイブによるものだ。」
「フッ、レティの得物はマクバーンやレーヴェが”盟主”から授かった武装と同じ”外の理”製で、その得物に秘められている力は”空間に干渉できる力”なのだよ。」
「ただし”劫焔”やレーヴェと違って、”黄金蝶”は得物もそうだけど彼女自身の”異能”である”蝶”の力を使用する際は何らかの”制限”が設けられているという話だけど……」
セリーヌの問いかけに答えたクロチルダの答えが気になったツーヤは首を傾げ、心当たりをすぐに思い出したプリネの推測にレーヴェとブルブランはそれぞれ答え、ヨシュアは真剣な表情でルクレツィアを見つめながらある事を口にした。
「フフ、深淵はんらから”空の女神直々による試練”ていう面白い”祭り”に誘われたからなぁ。”深淵はんらよりも先に結社を抜けた懐かしい顔ぶれ”まで一緒に参加するようやったから、早速制限抜きで振らせてもらったでぇ♪」
「ふふっ、それと貴女の古巣の今の顔も見ておきたかったからというのものあるでしょう?」
微笑みながら答えたルクレツィアにルシオラは苦笑しながら指摘し
「”幻惑の鈴”はんにだけはそれを言われる筋合いはないねんけどなぁ……まぁいいわ。――――――ラインフォルトでの潜入を終えて結社に戻った時は心の中では相当な葛藤を抱えていた辛気臭い顔をしていたけど、随分といい顔になったみたいやな、クルーガー。」
「フフッ、”今のわたくし”があるのはお嬢様達とリィン様の”愛”のお陰ですわ。」
「シャロン………」
「……………………」
「フフ、シャロンさんをアリサさん達の元に戻ってもらうために行った”リィンさんの行為も確かにある意味シャロンさんへの愛”ですわね♪」
「「………………」」
「ア、アハハ………」
若干呆れた様子のルクレツィアはルシオラに指摘し返した後静かな笑みを浮かべてシャロンに視線を向けて声をかけ、声をかけられたシャロンは微笑みながら答え、シャロンの答えを聞いたアリサが嬉しそうな表情を浮かべている中リィンは気まずそうな表情を浮かべて黙り込み、事情を知っているアルフィンはからかいの表情で呟き、エリゼとエリスはジト目でリィンを見つめ、セレーネは冷や汗をかいて苦笑していた。
「それでこれは一体どういう状況なんだ?」
「バルクホルン神父からは貴方達がエイドス様による”試練”を乗り越える為にエイドス様達と戦っているという話は聞いていたけど……」
「どうやらエイドス様達と戦う前の”前座”としてとんでもない相手と戦っていたようですね……」
「ええ。それも既に死亡が確認された者達だけでなく、メンフィル帝国――――――連合側についた”鋼の聖女”もそうですが私達と共にいるリィンさんやシズナさんまで皆さんの敵として対峙しているようですが……」
その時ロイドが状況をトワ達に訊ね、エリィはトワ達と対峙しているセプト=グリモア達を見回して戸惑いの表情を浮かべ、苦笑しながら呟いたノエルの言葉に頷いたリーシャは真剣な表情でセプト=グリモア達を見回した。そしてトワ達はエステル達に事情を説明した。
「ええええええええっ!?それじゃあ、あの人達はみんなエイドスさんが作った”グリモア”が変身した人達なの~~~!?」
「しかも”至宝”の力の一端も利用して変身しているのだから、本人よりも多少能力が劣る”グリモア”と違って本人と遜色ない能力かもしれないね。」
「というか”至宝の成れの果て”なんていう珍しい素材があったんだったら、あたし達にくれてもよかったじゃないか~!エイドスさんにとってもいらない物なんだから、あたし達がもらって有効活用していたのに~!」
「シャマーラ……今はそういう事を気にしている場合ではないでしょう……」
「フフ、もしかしたら私達にセプト=グリモアを渡したらセプト=グリモアを元に私達が”新たな至宝”を作り出すかもしれない事を懸念があったから、渡さなかったかもしれないわね。」
「アハハ……ウィル様もそうですがウィル様の技術を受け継いだ貴女達なら本当にやりかねませんから、洒落になっていませんね……」
事情を知ったミントは驚きの表情で声を上げ、ツーヤは真剣な表情でセプト=グリモア達を見回し、エイドスに文句を言うシャマーラにその場にいる多くの者達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中エリナは呆れた表情で指摘し、苦笑しながら呟いたセティの推測を聞いたプリネは冷や汗をかいて苦笑しながら呟いた。
「――――――それで実際の所、セプト=グリモアが変身した相手はその相手そのままの能力という推測は正解なのですか、エイドス。」
「ええ。セプト=グリモアが変身した対象の能力は自分達の敵――――――今はオリヴァルト皇子達ですね。オリヴァルト皇子達の”因果”を読み取って再現していますから、”グリモア”と違って、”変身した相手と全く遜色ない能力”になります。」
「ほう?それはつまり私達の目の前にいるそれぞれに変身したセプト=グリモア達の実力は”変身した対象の本物と全く同じ実力”という訳か。」
「フフ…………フフフフフフ……いいね………とても面白い状況じゃないか。」
「シ、シズナさん?どうしてそこで笑われるのですか……?」
「あぁ……姫の悪い癖が出てしまったでござる……」
フェミリンスの問いかけに答えたエイドスの答えを聞いたオーレリア将軍は興味ありげな表情を浮かべ、顔を俯かせて笑い始めたシズナの様子に気づいたエリスが戸惑っている中、クロガネは疲れた様子で頭を抱えた。
「オオオォォォォ…………武神功!!」
「コォォォォォォ…………”神氣合一”!!」
するとその時オーレリア将軍は咆哮と共に莫大な黄金の闘気を纏い、シズナは神氣合一の状態になった。
「まさかこのような形で伝説の”槍の聖女”に挑める機会が訪れるとはな。偽物とはいえ本物と遜色ない能力ならば、私にとっても望む所だ。」
「フフフフフフ……!偽物とはいえ伝説の”槍の聖女”や弟弟子との”死合い”にも正直心惹かれるけど”今の自分自身との死合い”なんて、今後2度と体験できないとてもいい機会じゃないかな!――――――という訳でどっちが先に”今の自分自身を超える事”ができるか競争といこうじゃないかな、弟弟子?」
「ああ……!”今の俺自身を超える事が空の女神の試練”ならば、”八葉”の剣士としての高みを目指している俺にとっても望む所だ!神気――――――合一!!」
リアンヌに変身したセプト=グリモアと対峙したオーレリア将軍は不敵な笑みを浮かべて自身の得物である真紅の宝剣――――――”アーケディア”をリアンヌに変身したセプト=グリモアへと向け、自分自身に変身したセプト=グリモアと対峙したシズナは好戦的な笑みを浮かべて声を上げた後意味ありげな笑みを浮かべてリィンに声をかけ、声をかけられたリィンは頷いて自分自身に変身したセプト=グリモアと対峙した後”神気合一”を発動した。
「フム、ならば我々元結社勢にとっての相手は結社の縁の関係で”劫焔”が相応しいだろうね。」
「そうね。ただ、レティがいてもまだ厳しいでしょうから――――――デュバリィ達とレオンを借りてもいいかしら、リィン君?」
「了解しました!オリエさんを除いた鉄機隊並びにレーヴェさんはクロチルダさん達への加勢に向かって下さい!」
「いいでしょう!」
「いいだろう。」
ブルブランの提案に答えたクロチルダはリィンにある要請をし、クロチルダの要請に応えたリィンはデュバリィ達とレーヴェに指示を出し、リィンの指示にデュバリィとレーヴェはそれぞれ答えた後レーヴェとデュバリィ達鉄機隊はブルブラン、ルシオラ、ルクレツィア、クロチルダと共に火焔魔人マクバーンに変身したセプト=グリモアと対峙した。
「フフ、まさか死んだ”痩せ狼”を除いた”福音計画”時の”執行者”がこんな形で集まるなんて奇妙な縁ね。」
「そういえば、”計画の見届け役”という特殊な立場のカンパネルラを除けば、”福音計画”に参加した執行者は既に死亡した”痩せ狼”を除いたら全員揃っているわね。」
「フッ、もし”痩せ狼”が生きていたら間違いなく俺達と共に対峙していただろうな。」
「フン、例えNo.Ⅷがいた所でNo.Ⅰ同様自分勝手過ぎるNo.Ⅷは足並みを揃える事なんてできないでしょうから、むしろいなくてよかったですわよ!」
苦笑しながら呟いたルシオラの言葉を聞いたクロチルダはある事を思い出して苦笑し、静かな笑みを浮かべて呟いたレーヴェの意見にデュバリィは鼻を鳴らして嫌そうな表情を浮かべてレーヴェの意見に指摘し
「ふふっ、それにしてもまさかこの顔触れであの”劫焔”に挑む日が来るとは想像もしたことがなかったな。」
「そうね。戦闘狂の彼の事だから、むしろ偽物ではなく自分自身が戦いたがったでしょうね。」
アイネスとエンネアはそれぞれ苦笑しながら呟き
「フハハハハハッ、それでは始めようではないか――――――かつての我らの同胞へ手向ける鎮魂歌を!」
「フフッ、こんな機会もう2度とないやろうから、ウチのダスクグレイブと”蝶”、制限抜きで存分に振るわせてもらうでぇ♪」
ブルブランは高々と叫び、ルクレツィアは微笑みながら答えた後レーヴェ達と共にマクバーンに変身したセプト=グリモアとの戦闘を開始した。
「後3体か……―――――エリゼ、エリス、レン皇女殿下はそれぞれの機体でオルディーネの相手を!――――――来い、ベルフェゴール!ベルフェゴールとエヴリーヌ殿はエリゼ達の援護を!」
「「はい、兄様!お願い――――――ヴァイスリッター(エル=プラドー)!!」」
「いいわよ♪来て――――――パテル=マテル!!」
「うふふ、わかったわ、ご主人様♪」
「あんな鉄屑、さっさとスクラップにしてやるよ、キャハッ♪」
まだ対処していないセプト=グリモアの数を確認したリィンはエリゼ達に指示を出した後ベルフェゴールを召喚してベルフェゴールとエヴリーヌに指示を出し、リィンの指示にそれぞれ答えたエリゼ達はそれぞれの機体を転位で呼び寄せてベルフェゴールとエヴリーヌと共にオルディーネに変身したセプト=グリモアとの戦闘を開始した。
「後のルーファスさんと聖獣への対処は残りの灰獅子隊メンバーとメサイア達を二手に分けて――――――」
「いや―――――ルーファス卿の相手は我々”義勇隊”が請け負う!」
リィンが更なる指示を出そうとしたその時パトリックがある申し出をした。
「リィン君達灰獅子隊にセプト=グリモアの半数以上の対処を任せてしまっているのだから、せめてルーファス卿の相手は私達がするわ!」
「ですから、”本命”であるアリサ達の勝率を高める為にもルーファス卿に回す予定だった戦力をアリサ達に充てて下さいませ……!」
「フリーデル君……」
「フェリス……」
「他のセプト=グリモアは”化物”クラスばかりですが、達人クラスのルーファス卿に変身したセプト=グリモアでしたら、私達で十分ですからルーファス卿の相手は私達に任せて下さい。」
フリーデルとフェリスの申し出を聞いたアンゼリカとアリサは驚きの表情を浮かべ、トマスは真剣な表情でリィンに指摘した。
「わかりました!来い―――――メサイア、ユリーシャ、アイドス!セレーネ、アルティナ、クルト、アルフィン、ミュゼ、オリエさん、ヴァンさん、クロガネさん、メサイア、ユリーシャ、アイドスはアリサ達の加勢を!」
「「「「「「「はいっ!!」」」」」」」
「承知!」
「ったく、仕方ねぇな……!」
「我が主の仰せのままに!」
「わかったわ!」
「来い――――――レジーニア、アンリエット!灰獅子隊の残りのメンバーとレジーニア達は聖獣の対処を!全体の指揮はルシエルに任せる!」
「おおっ!!」
「リィン様の仰せのままに!」
「え”。」
そしてリィンの指示によってセレーネ達はアリサ達の元へ向かい、ルシエル達残りの灰獅子隊のメンバーはアルグレスに変身したセプト=グリモアの元へと向かって対峙し、アイドスがリィンに召喚された後アリサ達と合流する様子を見ていたエイドスは冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。
「やれやれ……大型の魔物との戦闘経験もあるが、さすがにこんな言葉通り”化物”クラスの超大型は初めてだぜ。」
「相手は偽物とはいえ、本物と遜色ない力がある”空の女神の眷属”よ。”魔神”に挑むつもりで挑んだ方がいいわ。」
「フッ、異世界の女神の眷属とやり合えるなんて、腕がなる話だ。」
アルグレスに変身したセプト=グリモアと対峙したクロードは疲れた表情で溜息を吐き、警戒の表情で呟いたエーデルガルトの警告を聞いたディミトリは不敵な笑みを浮かべた。
「それにしても紅き翼の人達はあたし達が到着するまで、よく今まで耐えていたよね……?」
「うん、正直言って絶望的と言っても過言ではない戦力差なのに、どうして決して諦める事なく耐えられたんだろうね?」
「彼らの必ず試練を乗り越えるという”信念”もそうだが、リィン達が必ず援軍に来ると信じ続けていたからこそ、耐えていたのだろう。」
「フッ、ならば私達もリィンの仲間としてその期待に応えてあげようではないか!」
「ああ!僕達の新たな武勇伝の為にも、”時間稼ぎ”ではなく”撃破”した後に彼らに加勢してあげようではないか、ハーハッハッハッハッ!」
アメリアとフランツの疑問に答えたカイルの推測にフェルディナントと共に同意したローレンツは高々と笑い
「幾ら明確な敵対関係ではなかったとはいえ、あたし達にまで要請を出して、あたし達がその要請に応じる事を信じていたなんて、”理想主義”な考えは相変わらずのようでしたが…………ま、あたし達の最終決戦前の”前座”代わりに彼らを手伝ってあげましょうか……!」
「ええ!”仲間は決して見捨てない”……メンフィルの――――――いえ、誇り高き”闇夜の眷属”の”誇り”を紅き翼もそうですが、空の女神にも示しましょう……!」
「風よ、女神よ………我ら黒獅子――――――いや、”灰獅子”の”力”と”絆”、どうかご照覧あれ……!」
呆れた表情で呟いたリシテアは表情を引き締めリシテアの言葉に同意したイングリットは戦意を高め、ドゥドゥーは戦闘前の祈りを口にし
「ったく、面倒だが……可愛い後輩達の為にもやれるだけの事はやらないとな。」
「フフ、そうね。――――――それじゃあみんなで新たな”伝説”を作りましょうか!」
「はいっ!私達の未来の為にも絶対に勝ちましょう!」
溜息を吐いた後苦笑しながら呟いたフォルデの言葉に微笑みながら答えた後口にしたドロテアの言葉にステラは力強く頷いた後戦闘を開始した。
「何だかリベル=アークでの最終決戦の時を思い返すような状況ですね。」
「そうね。そして国境どころか、種族関係なく力を合わせて挑むこの光景はお父様や私達――――――メンフィルが目指す理想の一端でしょうね。」
苦笑しながら呟いたツーヤの言葉に頷いたプリネは微笑みながら答え
「ふふっ、異世界の女神が”至宝”を作る際に零れ落ちた力の一端か――――――実に興味深い。あたしの知識欲を満たす為にも早速調べさせてもらおうじゃないか。」
「リィン様の為にも全力でお相手させて頂きます……!」
「この戦いを制する事で後に起こる可能性がある騒乱を勃発させない事ができるのならば、望む所だ……!リィン様の”勇将”として我が力、存分に振るわせてもらう……!」
「僭越ながらリタ・セミフ―――――我が主、”神殺し”セリカ・シルフィル様とその仲間達の代表として、異世界の女神の”試練”に挑ませて頂きます……!」
「本物と遜色ない力がある神の眷属とはいえ、所詮は偽物。そのような相手等、慈悲の大女神たるアイドス様に仕える天使にしてゼムリアの新たなる”英雄”たるリィン様の”賢将”を務めるこのわたくしの”智”を持ってすれば容易い相手である事を示してさしあげますわ……!」
レジーニアは興味ありげな表情でアルグレスに変身したセプト=グリモアを見つめながら自身の武装である聖杖を構え、アンリエット、ベアトリース、リタ、ルシエルはそれぞれ自らの戦意を高めた後エーデルガルト達と共に戦闘を開始した。
「フフ、それでは我らもそろそろ始めようではないか。」
「はいっ!仲間達の為に……そしてそれぞれの”武”の高みを目指す為にも……」
「――――――推して参るっ!!」
そしてオーレリア将軍の言葉に頷いた後に口にしたリィンの言葉に続くように好戦的な笑みを浮かべているシズナが戦闘開始の合図の言葉を口にするとリィン達はそれぞれが対峙しているセプト=グリモアとの戦闘を開始した。
「セプト=グリモアの相手はリィン達に任せて大丈夫そうだな……!」
「後は星杯騎士団や空の女神の親族の方達ですが……」
「――――――そっちはあたし達に任せて!」
それぞれ戦闘を開始したリィン達の様子を見たマキアスは明るい表情で呟き、エマがアドル達へと視線を向けてある懸念を口にするとエステルが声をかけてロイド達やセレーネ達と共にトワ達に近づいた。
「エステルお姉ちゃん……!」
「特務支援課やセレーネ達も……!」
自分達に近づいてきたエステル達を見たティータとアリサはそれぞれ明るい表情で声を上げた。
「アドルさん達の相手は彼らの事をよく知っている僕達とロイド達が請け負うよ。」
「ケビン達”星杯騎士”の相手は儂らが請け負う故、ガイウス達はエイドス様に挑み、エイドス様の試練を乗り越えよ!」
「た、助かります……!」
「援軍の件共々感謝します、バルクホルン神父……!」
ヨシュアとバルクホルン神父の申し出を聞いたエリオットとガイウスはそれぞれ明るい表情で答え
「あたし達の方は戦力が十分だし、そもそも絶対に勝つ必要もないから、フェミリンスは直接エイドスと戦う事になるⅦ組の人達を加勢してあげて!」
「――――――わかりましたわ。」
「ちょっ!?」
エステルの指示に答えたフェミリンスはアドル達へと向かうエステル達と別れてトワ達に合流し、アイドスに加えてフェミリンスまでトワ達に合流する様子を見たエイドスは焦りの表情で声を上げた。
「そういえばそっちにはお前達の”師匠”の”千の腕”もいる事だし、師弟タッグ同士の対決といこうじゃねぇか、ケビン、リース!」
「まあ、ワジに関してはそのどちらにもあてはまりませんが………ワジの補佐は私達の”兄弟子”なのですから、バルクホルン師匠の縁という意味を考えれば戦力を拮抗させる為にもちょうどいいですね。」
「いやいやいやっ!?師弟タッグ云々以前にワジを含めても守護騎士の数もそうやけど同じ師匠でもルフィナ姉さんは”正騎士”でバルクホルン老は”守護騎士”の上そもそもルフィナ姉さんとバルクホルン老は年期が全然違うねんからそっちが圧倒的に有利やんか!?」
「というか何気に5人もの守護騎士がぶつかり合う手合わせなんて、星杯騎士団にとっても史上初の出来事なのですが…………」
「フフ、その史上初の出来事の原因が僕達が崇める空の女神である事を知った上層部の連中はどんな反応をするだろうねぇ?」
不敵な笑みを浮かべたセリスと笑顔を浮かべたリオンの言葉に対してケビンは疲れた表情で指摘し、疲れた表情で呟いたリースの言葉にワジは静かな笑みを浮かべて指摘し
「フッ、”守護騎士”にも匹敵すると謳われていた”千の腕”の実力、とくと見せてもらうぞ、ルフィナよ。」
「バルクホルン卿と比べれば私如きの実力等大したことはありませんが、せっかくの機会ですし、胸を借りるつもりで全身全霊を持ってお相手をさせて頂きます……!」
静かな笑みを浮かべて呟いたバルクホルンの言葉に対して苦笑しながら答えたルフィナはケビン達と共にバルクホルン達との戦闘を開始した。
「まさかこんな形で君達と手合わせにすることになるとは思わなかったけど………決戦前の手合わせとして僕達にとってもちょうどいい相手だね。」
「そうですね。お互いの成長を確かめる意味でも、全力でお相手させて頂きます……!」
「えへへ、お互い手加減抜きで行きましょう、アドルさん、ナユタ君!ロイド君達もよろしく!」
「ああっ!行くぞ、みんなっ!!」
「おおっ!!」
苦笑しながら呟いた後表情を引き締めて答えたアドルの言葉にナユタは頷いて仲間達と共に自身の武装を構え、笑顔で答えたエステルはロイドに声をかけ、声をかけられたロイドは頷いた後号令をかけてエステル達と共にアドル達との戦闘を開始した。
「へっ、これで後は”空の女神”だけだな。」
「フフ、しかもリィン君の心遣いのお陰で”女神”である貴女に対抗できる戦力が私達に加勢してくれているから、これでようやく戦力はお互いイーブンになったね。」
リィンやロイドが加勢させたそれぞれ仲間達と合流した後エイドスの元へと向かい、エイドスと対峙したクロウは不敵な笑みを浮かべ、アンゼリカは静かな笑みを浮かべて呟き
「それのどこが戦力が拮抗しているんですか!?女神一柱に対して、女神二柱に加えて私の眷属であるロゼ2号までいるなんて反則じゃないですか!?」
「誰が2号じゃ!?”二代目ローゼリア”とか、”ローゼリアを継ぐ者”等と言ったもっとマシな呼び方があるじゃろうが!?」
「ハッ、”人数制限がない事”はテメェから言い出した事なんだから、文句は受け付けねぇぜ!」
「ん。まさかとは思うけど女神の癖に自分の発言を覆すなんて女神として失格な事はしないよね?」
アンゼリカの言葉に対して顔に青筋を立ててフェミリンスとアイドス、ローゼリアに指をさして反論したエイドスの言葉に対してローゼリアもエイドスのように顔に青筋を立てて反論し、アッシュは勝ち誇った笑みを浮かべて軽く流し、フィーは静かな笑みを浮かべてエイドスに指摘し
「このような状況になったのも貴女の自業自得でしょうが………――――――とはいえ、私とアイドスに関しては後方からの援護しか行うつもりがありませんから、私とアイドスを主力にする考えは止めて下さい。」
「え………ど、どうしてですか……!?」
呆れた表情で呟いた後気を取り直して答えたフェミリンスの言葉を聞いたエリオットは驚いてフェミリンス達に訊ね
「エイドスは”現代のゼムリアの人々の力”を知る為にも貴方達に”力試し”を科したのだから、異世界の女神である私達を貴方達の”主力”にしたら”力試し”にならないもの。」
「それに”神”同士が”本気”を出してぶつかり合うような状況、”神格者”でもない”人間”の貴方達がついていく事等不可能でしょう?」
「い、言われてみれば確かに……」
「というか神同士が本気を出してぶつかり合う状況なんて、冗談抜きで”世界の終末”になりかねないわよ。」
「うむ。それこそ”巨イナル一”が生まれる原因となった焔の至宝と大地の至宝のぶつかり合いすらも霞む程の事態になる事も十分に考えられるの。」
「ア、アハハ………お祖母ちゃん自身は普通に戦ってくれるし、後方からの援護のみとはいえ、女神二柱による支援を受けられるだけでも十分過ぎますよ。」
アイドスとフェミリンスの話を聞いた仲間達がそれぞれ冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中マキアスは納得し、疲れた表情で呟いたセリーヌの推測にローゼリアは頷き、エマは苦笑しながら呟いた。
「ま、あの二人を主力にしなくても今のあたし達の戦力なら例え”空の女神”が相手であろうとも十分よ。」
「はい……ッ!」
苦笑しながら呟いたサラの推測にトワは明るい表情で頷いた。
「フッ、アルノール皇家兄弟の絆と力も空の女神に照覧してもらおうじゃないか、セドリック、アルフィン!」
「ふふっ、そういえばわたくし達兄妹が3人揃って協力するのはこれが初めてになりますわね。」
「僕達の為にエイドス様の説得を託してくれたアリシア女王陛下のお心遣いに応える為にも……そして父上の期待に応える為にも協力して乗り越えましょう……!」
静かな笑みを浮かべて呟いたオリヴァルト皇子の言葉にアルフィンは苦笑しながら同意し、セドリックは決意の表情でエイドスを見つめながら自身の戦意を高め
「――――――今こそ、”帝国の二大武門”と称された我ら”アルゼイド”と”ヴァンダール”の力を存分に振るう時!」
「はいっ!空の女神にもとくとご照覧して頂きましょう――――――我らのアルノール皇家への忠誠を!」
「僭越ではありますが、ヴァンダール流総師範にして現当主マテウスに代わり、マテウスの後妻オリエ・ヴァンダールと嫡男ミュラー・ヴァンダール、そして次男クルト・ヴァンダールが空の女神のお相手を務めさせて頂きます……!」
戦意を高めながら声を上げたアルゼイド子爵の言葉にミュラーは頷いて自身の戦意を高め、二人に続くように静かな表情で呟いたオリエは決意の表情で声を上げた後戦意を高めた。
「ったく、空の女神と戦ったなんて話、もし両親が知ったら卒倒するぞ。」
「今はお父様達は関係ないでしょう!?それとこの戦いが終わったら、いい加減貴方が請けたお父様達からの依頼内容もそうだけど私とルネの前から突然姿を消した理由や今まで何をしていたのかも話してもらうわよ、ヴァン!」
エレインと肩を並べて戦闘の構えをしたヴァンは呆れた表情でエレインに指摘し、ヴァンの指摘に対して真剣な表情で反論したエレインは自身の武装を構えた。
「えへへ、アー・ミー・クー・ガー最強カルテット誕生だね、アーちゃん!」
「その名称には激しく異議を唱えたい所ではありますが、今は不問としましょう。―――――今回の戦闘に関してミリアムさん達との連携を重視しましょう、クラウ=ソラス!」
「――――――」
無邪気な笑顔を浮かべたミリアムに話しかけられたアルティナはジト目で反論した後表情を引き締めてクラウ=ソラスに指示をし、アルティナの指示にクラウ=ソラスはいつものように機械音を出して答えた。
「まるで私が”ラスボス”のような扱いをされている事に異議を唱えたい所ですが、まあいいでしょう。――――――現代のゼムリアの人々よ、”現代のゼムリアの絆と力”、空の女神に示してみなさい!!」
「クク………改めて――――――”空の女神”エイドスによる”試練”を再開する。現代のゼムリアを代表する勇士達よ、その絆と力を空の女神に存分に示すがよい!」
「おおっ!!」
顔に青筋を立てて呟いたエイドスは表情を引き締めて自身の得物である神槍を構えてトワ達に向けて宣言し、エイドス達の様子を面白そうに見ていたセルナート総長は戦闘の再開を告げ、エイドスとセルナート総長の言葉に力強く答えたトワ達はエイドスとの戦闘を開始した――――――
後書き
今回のリィン達が集結するシーンのBGMはテイルズオブシンフォニアのOPのhiroicバージョンで、エイドス戦のBGMはテイルズオブエターニアの”ETERNAL MIND”か閃4の”未来へ”のどちらかだと思って下さい♪
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