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第六十四話 料理部だから思うことその一
第六十四話 料理部だから思うこと
かな恵は料理部の面々と一緒に夕食を楽しんだ、それは昨夜も同じだったがこの日も同じでだった。
海の幸を楽しんだ、そして酒も飲むが。
烏賊のゲソ焼きを食べてだ、こんなことを言った。
「いやあ、烏賊とお酒ってね」
「いい組み合わせよね」
「これが合うのよね」
「昨日もよかったけれど」
「今日もいいわよね」
「烏賊のゲソをね」
今食べているそれの話をするのだった。
「さっと味付けして焼いたらね」
「もうそれだけでよね」
「素敵なおつまみになるわよね」
「こうしてね」
「そうなのよね、おつまみに困ったら」
その時はというのだ。
「これよね」
「そうそう」
「今日もお刺身あってね」
「今日はハマチね」
「そっちも最高だけれど」
「烏賊もいいのよね」
「いや、生で食べること自体がね」
黒い肌に黒い長い髪の毛のブラジルから来た女子バレー部の一年の娘がこんなことを言ってきた。見れば浴衣の下に黒いティーシャツとスパッツが見える。
「私的には衝撃だったわ」
「あっ、ブラジルでもお魚はね」
「生で食べないからね」
「そうよね」
「私マカパから来てるけれど」
自分の生まれの話もした。
「アマゾンの河口のね」
「あのアマゾン川ね」
「アマゾンのもの生で食べたい?」
「そこにいる生きもの達をというのだ。
「お魚とか」
「冷凍してからでいい?」
かな恵は酒を飲みつつ応えた。
「生で食べるなら」
「それで寄生虫殺すのね」
「うん、一旦徹底的に冷凍してね」
そうしてというのだ。
「カチコチにまでして」
「そうして寄生虫を殺して」
「それからでないとね」
「食べないのね」
「だってアマゾンって川で」
即ち淡水でというのだ。
「川魚って虫多いし、特にね」
「特に?」
「アマゾンって熱帯で」
そう呼ばれる環境でというのだ。
「虫も多いだろうから」
「生で食べるとしたら」
「もうカチコチに凍らせて」
その様にしてというのだ。
「解凍してからね」
「食べるのね」
「うん、そうするわ」
「そこはしっかりしてるわね」
「だって私達料理部だから」
この部活に所属しているからだというのだ。
「こうしたことはね」
「しっかりしてるのね」
「お料理は美味しく食べるものだけれど」
それと共にというのだ。
「健康的にもね」
「食べるものっていうのね」
「だからね」
その為にというのだ。
「寄生虫のことはね」
「気をつけてるのね」
「今お話してた烏賊だってね」
自分の膳にあるゲソを見つつ話した。
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