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X ーthe another storyー

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第四話 神犬その十四

「すぐにです」
「行って来てくれるのね」
「そうします」
「ではお願いね、おそらく神社の主の人が邪魔をするけれど」
「その人は天の龍でしょうか」
「違うわ、けれど近いわね」
 天の龍にというのだ。
「どちらかというと」
「では殺す」
「いえ、殺す必要はないわ」
 庚はやや真面目な顔になって答えた。
「傷を負わせて動けなくする位でいいわ」
「そうして剣を手に入れるのですね」
「そう、人間は滅びるけれど」
 自分達が勝てばというのだ。
「けれどね」
「今はですか」
「殺すことはないわ、どのみち滅びるのならね」
 それならと言うのだった。
「その時まで幸せに過ごさせてあげるべきよ」
「だからですか」
「その人もよ」
「殺すことはないですか」
「地の龍の貴方の相手ではないけれど」
 それでもというのである。
「殺すことはないわ」
「傷を負わせて動けなくさせて」
「剣をここまで持って来てね」
「わかりました」
 哪吒は庚の言葉に頷いた、そうしてだった。
 場を後にした、後に残ったのは庚と遊人それに颯姫となったが颯姫は哪吒が去った先を見てその上で話した。
「必ず持って来てくれるわ」
「剣をね」
「彼ならね」
 哪吒ならというのだ。
「天の龍が来ない限りは」
「ええ、そして天の龍はね」
「私達の動きに気付いていないわね」
「まだねけれどね」
「若し気付いたら」
「間違いなく邪魔をしに来るから」
 だからだというのだ。
「何時でもビーストを動ける様にしてくれるかしら」
「わかったわ」
 颯姫は確かな声で応えた。
「それではね」
「ええ、そうしてよ」
「哪吒に剣を手に入れてもらうのね」
「絶対に」
「若し剣を手に入れたら」
「私達はかなり有利に立てるわ」
 そうなると言うのだった。
「天の龍に対して7」
「そうですね、ではです」
 遊人も言ってきた。 
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