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イベリス

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第八十三話 合宿前日その四

「しないのです」
「それって」
「はい、自分を振り返らない輩は成長しません」
「反省しないからですね」
「そうした輩が教師をしてもです」
 例えそうなってもというのだ。
「碌な教師でないことはです」
「明らかですか」
「はい」
 まさにというのだ。
「左様です」
「そうですね、やっぱり」
 咲もここまで話を聞いて納得して頷いた。
「そうした人は」
「そこにその人の全てが出ています」
「人格とか」
「品性や考え方の何もかもが」
「全部碌なものじゃないですか」
「まさにゴロツキです」
 そう言っていいというのだ。
「教師という職業にあっても」
「ゴロツキですか」
「はい」
 先に断言で以て答えた。
「そうした輩は。ですから」
「その言うことはですか」
「絶対にです」
 それこそというのだ。
「まともに聞いてはいけません」
「そうなんですね」
「ならず者に過ぎないのですから」
 それ故にというのだ。
「聞くに値しません」
「先生様じゃないんですね」
「その考えがおかしいのです」
「先生様っていう」
「教師は職業の一つに過ぎないです」
 速水は無表情で言い切った。
「この世に多くある」
「それだけですか」
「そうです、ですから」
「先生様とかですか」
「聖職者等とです」
 その様にというのだ。
「考え特別視してはです」
「いけないですか」
「むしろ問題を起こす人が非常に多い」
「そうした職業ですか」
「私もよく聞きます」
 速水はこうも言った。
「相談も受けます、このお店にもです」
「お客さんが来られるんですね」
「学校の先生のことで悩んでいるお話に」
「ご相談にですか」
「お客様も」
「そうですか」
「生徒でもその中にいる人でも」
 他ならぬ教師の世界でもというのだ。
「よく聞き言われます」
「それでご存知ですか」
「学校の先生は非常にです」
 まさにというのだ。
「問題のある人がです」
「多いんですね」
「悪事を起こしてもです」
 教師達がというのだ。
「隠蔽されますし」
「それで罪に問われないんですね」
「世に出ているお話だけでも多いですが」
 教師が問題を起こしたそれはだ、検挙されるその数はヤクザ者のそれよりも多いのではなかろうか。 
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