入社難しくてブラックで悪名高い
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第三章
「マスコミは今は」
「特に毎朝な」
「それで仕事はっていうと」
「不眠不休でな」
そうした状況でというのだ。
「滅茶苦茶ブラックだな」
「過労死もおかしくないな」
「それで叩かれるなんてな」
「碌な職場じゃないな」
「悪いことばかりしていて雰囲気も悪そうだな」
「実際イジメとかセクハラ多いらしいぜ」
「マスコミ全体が」
こうしたことも話された。
「職場の雰囲気も最悪ってな」
「全然いいことないな」
「俺達落ちてよかったな」
「そんな職場いたくないぜ」
絶対にと言うのだった。
「本当にな」
「今職場でよかった」
「心から思えるな」
「全くだぜ」
二人で心から話した、そしてだった。
二人は今のメールアドレスや携帯の番号を交換した、それからは時々だが連絡を取り合う様になった。その中でだった。
ある日矢田は仕事から帰って自分の部屋でくつろぎながら郷里に携帯で電話を入れた、すると彼も仕事帰りでくつろいでいて楽しく話がはじまった。
その中でだ、矢田は言った。
「毎朝の記者がな」
「ああ、まただよな」
「まただよ、嘘書いてな」
「それ叩かれてるよな」
「ネットでな」
郷里にビールを飲みつつ話した、コンビニ弁当も食べている。
「そうなってるな」
「まただな、本当に」
郷里はカップ焼きそばを食べつつ応えた、彼もビールを飲んでいる。
「あそこは」
「どんどん評判落ちてるな」
「そうだよな」
「落ちたけれど入らなくてよかったな」
「つくづくそう思うな」
「入社難しくてブラックで評判悪い」
「それって最悪だよな」
企業としてというのだ。
「しかも悪事ばかり働く」
「自分に甘く他人に厳しい」
「いいところないな」
「そんなところに入ってもな」
「本当にいいことなかったな」
「全くだよな」
二人でこうした話をした、そしてだった。
彼等は自分達の仕事に励んでいった、そのことに満足していた。いい会社に入ったと心から思うのだった。
入社してブラックで悪名高い 完
2023・1・23
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