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ハッピークローバー

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第五十七話 少しでも思うことその十二

「何でその人そこまでね」
「酷くなったか」
「元々どうしようもない人でも」
「いいところないからね」
「何一つね」
「文句ばかりで人間の作法も全く駄目で」
「人の役に立ったことも」
 これもというのだ。
「全くね」
「献血一つしなかった位で」
「もう餓鬼道に堕ちるなんて」 
 人間でありながらというのだ。
「普通に生きていたらね」
「ならないかしら」
「その筈だよ」
 こう言うのだった。
「働かないにしても」
「それでもね」
「普通に家事とかしていても」
 それだけでというのだ。
「色々勉強になるしね」
「家事すらしないで」
「それでもね」
「ここまではなのね」
「駄目にならないと思うよ」
「何か親御さんも」
 一華はその話を聞いてこのことを思い出した。
「酷かったって」
「所謂毒親だったそうだね」
「そんな人が親だったから?」
「余計にかな」
「酷くなったのね」
「もうその人を徹底的にね」
「甘やかしたのね」
「そうだったみたいだからね」
 それでというのだ。
「お身体壊した叔父さんにどついたろかって言っても」
「怒らなかったの」
「普通そんなこと言ったら」
「誰だって怒るわね」
「普通の親御さんならね」
 それならというのだ。
「もうぶん殴る位もね」
「あるわね」
「そうだけれど」
「暴力はよくないけれどね」
「怒らないどころかその話聞いて他に何かあったらしくて」
 それでというのだ。
「親御さんそれ聞いてもそれやったらええとか」
「そんな風だったの」
「何とも思わなかったみたいだよ」
「自分の叔父さんそれもお身体悪い人に注意されて怒って」
「どついたろかって言ってもね」
「普通誰でも怒るわよ、私だってね」
 一華もというのだ。
「怒るわよ」
「そうだよね」
「それが怒らないのね」
「もう何でもないってね」
 その様にというのだ。
「態度だったから」
「そんな親御さんだと」
「わかるよね」
「ええ、まともに子育てなんてね」
 それこそというのだ。
「してないわね」
「だからね」 
「そんな人になったのね」
「そうみたいだよ」
「元々どうにもならない人で」
「そうなったのも多分親御さんが酷くて」
 それでというのだ。 
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