| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ハッピークローバー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五十七話 少しでも思うことその十

「わかるそうだよ」
「じゃあ私達も?」
「言われたよ、子供でもね」
 それこそというのだ。
「わかる様な」
「簡単なものなのね」
「それで何を書いてるかわからない」
 そうしたというのだ。
「難しい文章を書いていたら」
「大したことじゃないのね」
「何しろ戦後最大の思想家と言われても」
 それでもというのだ。
「そんな文章で」
「大した人じゃなかったの」
「挙句はあのオウムを絶賛した位だから」
「ああ、誰かわかったわ」
 一華はそう聞いて述べた。
「その人は」
「わかったね」
「吉本隆明でしょ」
「そう、その人だよ」
 その通りだとだ、達川も答えた。
「あの人なんてね」
「戦後最大の思想家とか言われて」
「そんなのだったから」
「あんなとこ絶賛する位でね」
「あそこの教祖がね」
「もうあれよね」
 その教祖はとだ、一華は述べた。
「お金に女の人に権力に」
「信者さんには粗末なものを食べさせてね」
「自分は贅沢三昧よね」
「メロンとか美味しいもの食べて」
 それでというのだ。
「そんな風だったからね」
「そんな人がよね」
「偉大な宗教家とか最も浄土に近いとか」
「そんなこと言ってたのよね」
「そうだよ、何処がね」 
 達川はビールを飲みながら眉を顰めさせて話した。
「わからないよね」
「馬鹿でしょ」 
 一華は吉本隆明をこの言葉で切り捨てた。
「もう」
「俺もそう思うよ」
「そうとしか思えないわよね」
「うん、偉大な宗教家どころか」
「馬鹿よね」
「それで訳のわからない書いてるのは」
 それこそというのだ。
「もうだよ」
「そうした奴ね」
「読む価値ないよ」
「本当にそうよね」
「何でか吉本隆明って持て囃されてるけれど」 
 戦後日本の知識人達にだ、だから戦後最大の思想家と呼ばれたのだ。
「何処がなのか」
「わからないわよね」
「だから俺この人の読んでないし」
「これからもよね」
「読むつもりないよ」
「ないわよね、そんな奴の本読む位なら」
 それこそというのだ。
「本当にね」
「漫画読む方がいいよ」
「その通りね」
「吉本隆明なんて」
 それこそというのだ。
「その程度だよ」
「それで難しいだけの文章も」
「そう、大したことは書いていないから」
 だからだというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧