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ハッピークローバー

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第五十七話 少しでも思うことその八

「ずっとやりからね」
「これまで色々スキャンダルのネタあったけれど」
「それしか言わないよね」
「政策なんてね」
 それの話はというのだ。
「もうね」
「一切言わなくてね」
「何のね」
 それこそというのだ。
「進歩も何もね」
「ないよね」
「人間的成長って言葉あるけれど」
「あの人達とは無縁だね」
「そもそもね」
「努力していないと」
「ああなるってことは」
「成長もね」
 人間的なそれもというのだ。
「ないんだよ」
「ずっと低いままね」
「最初は駄目でも」
 即ちレベルが低くともとだ、達川は話した。
「努力したらね」
「よくなるわね」
「モーツァルトだっていつも作曲してたから」
 それこそ作曲していないと苦しいと言うまでにだ。
「それでだよ」
「あそこまでなったわね」
「そして最初に音楽に触れないと」
「モーツァルトも作曲出来なかったわね」
「そこからもう一生作曲して」 
 子供の頃から三十五歳の若さで世を去るまでだ、その曲数は夭折したとは思えないまでの多さである。
「努力をね」
「努力と思わなかったのね」
「だって作曲しないとだよ」
「苦しかった位だから」
「努力どころか」
「飲んだり食べたりする位の」
「そんなのだったから」
 モーツァルトはというのだ。
「努力を努力と思わないだけで」
「やっぱり努力していたのね」
「天才でもね」
 そう言われる人物でもというのだ。
「努力してこそだよ」
「天才になるのね」
「何の努力もしないで」
「天才にはなれないわね」
「そうだよ、幸せにもなれないし」
 努力をせねばというのだ。
「成長もね」
「しないわね」
「むしろ人間的に成長して」
 そうしてというのだ。
「幸せにもね」
「なれるのね」
「そうだよ」
 まさにというのだ。
「漫画でも言ってたけれど」
「漫画?」
「白鳥は優雅に泳いでいる様で」 
 水面をというのだ。
「その下でね」
「ああ、あのテニスの漫画ね」
 一華は水面の下でというところでわかった、それで腕を組んで舌を見る感じのシリアスな顔になって話した。
「言いたいことはそれだけか」
「そうそう、その漫画だよ」
 達川も笑って応えた。
「水面の下で足を必死に動かしてね」
「泳いでるのよね」
「そう言ってたね」
「それが努力だね」
「いつも決まっている自衛隊の人達も」
 その彼等もというのだ。 
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