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八条学園騒動記

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第六百八十二話 マイナー国家の中のマイナー国家としてその六

「当時のアフリカってそうした独裁者多いけれどね」
「お約束みたいにだよね」
 シッドも言ってきた。
「私利私欲全開で」
「ええ、独裁と贅沢と弾圧と虐殺のね」
「そればかりだね」
「碌でもない政治して」
「国を滅茶苦茶にするね」
「当時のアフリカはそんな独裁者ばかり出て」
 その多くは軍隊にいてその武力が権力基盤だった、アミンにしても軍隊にいてそこから頭角を表している。
「中々発展しなかったのよ」
「嫌なことだね」
「今は豊かだけれど」
 銀河の時代ではだ。
「どの国もね」
「それでもだね」
「当時はね」
「そんな独裁者ばかり出て」
「国が滅茶苦茶になって」
 そうしてというのだ。
「豊かにならなかったのよ」
「それどころかボロボロになったんだね」
 トムはここでこう言った。
「そうだね」
「そうした独裁者出たサハラの国皆そうなるでしょ」
「うん、国がどんどん衰えていくよ」
「それでそこを衝かれてね」
「内戦起こるか他国から攻められて」
「滅びるか衰えるかでしょ」
「サハラあるあるだね」
 トムは嫌そうに述べた。
「あそこだと」
「千年の間あったわね」
「うん、ずっとね」
「そうだけれど」
 メアリーはあらためて言った。
「有名にはね」
「なってるね」
「そうよ、悪名でもね」
 それでもというのだ。
「有名にはね」
「なるね」
「だから連合でもよ」
 他国には興味の薄いこの国でもというのだ。
「有名なのよ」
「そうなってるんだね」
「そうよ」
「サハラにあっても」
「そこまで悪名は知れ渡るのよ」
「そうしたものだね」
「けれどカナダって悪人もね」
 そう呼ばれる部類に属する人間達もというのだ。
「これと言って出てないでしょ」
「独裁者も汚職した人もシリアルキラーもいないね」
 トムもそれは確かにと答えた。
「これといって」
「建国されてからそうでしょ」
「誰もね」
「戦争で滅茶苦茶した人もいないわね」
「というか戦争自体がね」
「連合ではずっとなかったし」 
 連合という国が出来てエウロパ戦役まで一度も戦争をすることがなかった、千年の平和は伊達ではないのだ。
「そもそも」
「だからね、確かに凶悪犯は出ても」
「それも少なくて」
「カルト教団の教祖なんてものね」
「少ないね」
「まあ悪人は少ないに越したことはないけれど」
 それでもというのだ。
「サハラはそうした独裁者や暴君がやたら出てるから」
「知られているね」
「何でも戦争が続いて」
 そうしてとだ、メアリーは話した。 
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