博士の挑戦状
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第五話
第五話 博士も動かない
今田先生と今日子先生は博士が動く時まではくつろぐことにした、それで紅茶も楽しんでいたがその博士はというと。
車椅子に乗って街に出てだ、喫茶店に入って言ってきた。
「コーヒーを一杯貰えるか」
「あの、何言ってるんですか」
喫茶店のマスターはその博士に言い返した。
「貴方またやらかすんですよね」
「やらかす?楽しむことがか」
博士は車椅子から降りてカウンターの席に着いてから応えた、車椅子はその横にしっかりと置いている。
「それがか」
「そうですよ、それなのにです」
「喫茶店に来てか」
「それでコーヒー飲まれますか」
「うむ、ここのコーヒーが美味いと聞いてな」
それでと言うのだった。
「それでじゃ」
「来られたんですか」
「何時殺人や破壊を行うかはじゃ」
それはというと。
「わしが気が向いた時じゃ」
「その時ですか」
「うむ、その時にな」
まさにというのだ。
「わしは動くぞ」
「そうなんですね」
「わしはこの世のあらゆることを楽しむ」
博士はまた言った。
「それでじゃ」
「だからですか」
「今からな」
「コーヒーを飲まれますか」
「そうするぞ」
こう言うのだった。
「ウィンナーコーヒーを頼む」
「そちらのコーヒーですか」
「そうじゃ」
マスターに笑顔で話した。
「頼めるか」
「注文を受けましたら」
それならと言うのだった。
「必ず応えるのが私です」
「うむ、では頼むぞ」
「はい、ウィンナーコーヒーですね」
「そちらをな」
博士は笑顔で答えた、そうしてだった。
暫くしてコーヒーが来た、そのコーヒーを飲んで言った。
「うむ、美味い」
「それはどうも」
マスターも笑顔で応えた、博士は今はコーヒーを楽しんでいた。
第五話 完
2022・11・2
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