ハッピークローバー
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第五十二話 体力があるのでその八
「変な人にはね」
「近寄られない様にするのね」
「そうよ」
こう妹に言うのだった。
「それが大事なのよ」
「そうよね」
実加もそれはと頷いた。
「やっぱりね」
「あんたも中三で」
理虹は妹に学年からも話した。
「今度十五になるでしょ」
「それも何かあるのね」
「あるわよ、発育もよくなってきてるから」
「そんなによくなってる?」
「なってるわよ」
妹にクールな目で答えた。
「最近特にね」
「そうなの」
「胸大きくなってきたし」
ラフな夏の服から見えるそれの話もした。
「お尻や脚のラインもね」
「変わらないでしょ」
「結構よくなってきてるわよ」
「そうかしら」
「自覚ないけれどそうよ」
こう言うのだった。
「だからね」
「注意しないといけないのね」
「スタイルよくなるのはいいことでも」
このこと自体はだ。
「変な人を刺激もする」
「そのことが問題ね」
「それで襲われるとかはね」
「問題ね」
「そう、だからね」
「用心することね」
「そういうことよ、私だってね」
理虹は自分のことからも話した。
「気をつけてるし」
「夜道一人で歩かないで」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「明るいところをね」
「人通りの多い」
「そこを歩いてるのよ、かな恵なんてね」
また彼女の名前を出した。
「特に気をつけてるのよ」
「あの人奇麗だし胸も大きいから?」
「性格としてよ」
かな恵のそれから言うのだった。
「それでよ」
「気を付けておられるの」
「そうなの」
実際にというのだ。
「あの娘はね」
「そうしたガードの固さもかな恵さん?」
「おっとりした性格でも」
それでもというのだ。
「ちゃんと気を付けるところはね」
「気を付ける人で」
「それでなのよ」
「気を付けておられるのね」
「だから暗い夜道を一人で歩くことなんてね」
そうしたことはというのだ。
「しないのよ、それにね」
「それに?」
「成海っちが何かと言って来るし」
彼もというのだ、理虹は彼のこともまた話した。
「それでボディーガードするから」
「そのこともいいことね」
「特に男の子がいたらよ」
傍にというのだ。
「相当やばい状況にならないとね」
「大丈夫なのね」
「それで明るい道歩いていたらね」
「流石に襲われないのね」
「それで襲われるとしたら」
それならとだ、理虹は話した。妹に話しながら実は頭の中でそうしたケースのことを考えてもいる。
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