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第五十二話 体力があるのでその一
第五十二話 体力があるので
理虹の妹の実加は中学三年だ、この時の夏はほぼ誰もが高校受験に向けて勉強三昧の日々だが彼女も同じだ。
それでこの日も午前中は塾の夏期講習午後は自宅で勉強に励んでいたが。
夕食の時にだ、理虹はそんな妹に言った。
「私より勉強してない?」
「去年のお姉ちゃんよりもっていうのね」
「ええ、そうしてない?」
理虹はおかずのミートボールを食べつつ妹に言った、見れば食卓に母が作ったそれの他にやはり母が作ったタロモサラダがある。
「あんたの場合は」
「そう?ただ私普通科に行くつもりだから」
「私は商業科だけれどね」
「同じ高校に行ってもね」
それでもとだ、実加はそのピンク色のサラダを食べつつ話した。
「学科で偏差値違うし」
「だからその分なのね」
「私も勉強してるかもね」
「普通科に行ける様な偏差値を維持してるのね」
「うち中等部から高等部ほぼエスカレーターでね」
それで進めるがというのだ。
「私普通科大丈夫な位の偏差値だけれど」
「あんた成績結構いいしね」
「けれどね」
「普通科行こうと思ったら」
「頑張らないとって思ってかしらね」
それでというのだ。
「勉強してるかもね」
「自分でそうしてるのね」
「そうかもね」
こう言うのだった。
「やっぱり」
「そういうことね」
「ええ、まあ特進科は考えてないけれど」
「あそこは無理でしょ」
流石にとだ、理虹はミートボールにソースをかけてから応えた。ウスターソースを皿の上のミートボール全てにまんべんなくの感じでかけている。
「流石に」
「偏差値七十超えてるからね」
「うちの高校あそこだけは灘高とかラサールレベルなのよ」
そこまでのレベルだというのだ。
「それこそあそこはね」
「東大京大夢じゃないわね」
「外国からの子で普通にオックスフォードとか行くのよ」
「オックスフォードは凄いわね」
実加はその大学の名前を聞いて一瞬引いた、それから述べた。
「東大どころじゃないわね」
「あそこはね」
「世界一よね」
「あとハーバードとかスタンフォードとか」
アメリカの大学の名前も出した。
「そうしたね」
「世界的な大学にもなのね」
「行く人いるから」
「レベルが違うわね」
「そうよ、八条大学だと法学部と医学部ね」
「やっぱり偏差値七十超えてるわね」
「うちの学校って偏差値は五十から五十八でね」
他の学科の話もした。
「まあそれなり位ね」
「五十が標準だしね」
実加も応えて言った。
「普通科で五十八ね」
「商業科が五十五ね」
「商業科としては高い方?」
「みたいね」
理虹は自分の学科についてはこう返した。
「どうも」
「そうよね」
「まあ真面目にある程度勉強してたらね」
「高等部は何処でも入られるわね」
「特進科以外はね、まあ基本エスカレーターで」
妹が言ったことをここではそのまま話した。
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