ハッピークローバー
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第五十一話 暴力の代償その十四
「どんなにお顔がよくてもよ」
「結婚しないことね」
「絶対にね。本人が通院して治そうと思っていたらいいけれど」
「そうした人ってしないわよね」
「そうはいないみたいよ」
「暴力を何とも思っていないから」
「そうした考えの人達だから」
それ故にというのだ。
「それをおかしいとも思わないで」
「病院で治療も受けないのね」
「そうよ」
実際にというのだ。
「だからね」
「そうした人はあまり治らないのね」
「自覚しないで治ることはないでしょ」
留奈に強い声で話した。
「そうでしょ」
「ええ、本当にね」
留奈もそれはと答えた。
「心のことは」
「それでよ」
「そうした人は治らなくて」
「ずっとよ」
それこそというのだ。
「そうしたこと続けるから」
「だから子供も虐待するのね」
「逆にそうした人を殴る自分恰好いいとかね」
「思うの」
「中学生や高校生でイキリっているでしょ」
「イキリがそのまま大人になったから」
「その頃のままの考えでね」
中学生や高校生の頃のというのだ。
「イキっていて、俗に言うと」
「悪いことすること恰好いいね」
「そんな考えでね」
「暴力を振るってもなのね」
「いいってね」
「考えてるのね」
「それでよ」
まさにその為にというのだ。
「奥さんや子供虐待して」
「自分は恰好いい」
「そして強いってね」
「虐げてるだけでもなのね」
「思ってるから」
「そうした人は中々治らないのね」
「そういうことよ」
まさにというのだ。
「要するにね」
「そのこともわかったわ」
留奈は母の言葉に頷いた。
「それじゃあね」
「ええ、あんた今日のお話はね」
「よく覚えておくわ」
「そうしてね」
母は切実な言葉で述べた。
「絶対に」
「暴力について」
「よくね、また言うでしょうし」
「何度も言うの」
「大事なことは何度も言ってよ」
その様にしてというのだ。
「それでよ」
「覚えるのね」
「お母さんから見れば覚えてもらうよ」
そうなるというのだ。
「あんたにね」
「それでまたなのね」
「言うわ、いいわね」
「わかったわ」
留奈もそれならと応えた。
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