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ドリトル先生とタキタロウ

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第四幕その三

「やっぱり木が多いね」
「木ばかりだよ」
「まさに日本の山だね」
「緑が豊かだわ」
「もう至るところ木ばかりで」
「山も結構険しいね」
「人がいる場所じゃないね」
 皆周りを見回しながらお話します。
「まさに自然の場所だね」
「秘境と言っていいね」
「本当にここは」
「そうした場所だね」
「そうだね、ここにいるとね」 
 先生も言います。
「タキタロウが中々発見されないのも当然だよ」
「こうした場所だとね」
「周りに人家もないから」
「街も村もないから」
「鶴岡市という場所にあってもね」
「行政区分では市になっていてもね」
 それでもというのです。
「こんな山奥にあるとね」
「人家一つない」
「それだとね」
「どうしようもないね」
「本当にね」
「そう、ここはね」 
 本当にというのです。
「ネス湖みたいと言うべきかな」
「もっと凄くない?」
「ネス湖も山と森に囲まれてるけれど」
「ここまで険しい中にないんじゃない?」
「流石に」
「そうかもね、あちらは道もあってね」 
 ネス湖の周りにです。
「車が行き交ってるしね」
「そうだね」
「それでネッシーの目撃例も多いしね」
「ドライブする車も多いから」
「今もよく通ってるし」
「ここはそういうのもないから」
 車は全く見えません、先生と皆それにスタッフの人達以外は誰もいない感じです。まさに自然の中です。
「もっとかもね」
「そうだよね」
「こんな場所だとそりゃ見付からないよ」
「タキタロウがいても」
「それでも」
「そうだね、ただキャンプ場があるから」
 見れば先にそれがあります。
「シーズンにはだよ」
「キャンプを楽しむ人がいて」
「ここで遊べるんだ」
「そして若しかしたら」
「タキタロウも見られるかも知れないんだ」
「そうかも知れないよ」 
 こうしたお話をしてです、先生は皆と一緒にキャンプ場に入りました。するとスタッフの人のうちのお一人が先生に言ってきました。
「ここで、です」
「はい、僕達はですね」
「キャンプをしながらです」 
 そのうえでというのです。
「調査をしていきます」
「そうしますね」
「丁度いいですよね」
 若い男性のスタッフの人は微笑んでお話しました。
「こうした場所があって」
「そうですね、ここが拠点になりますから」
 先生も言います。
「いいと思います」
「先生もそう言われますね」
「はい、ですから」
 それでというのです。
「こちらにテントをもうけて」
「寝泊りしてですね」
「食事も摂りまして」
「調査をしていきますね」
「そうしましょう、あとタキタロウ館にもです」
 そちらにもというのです。 
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