ドリトル先生とタキタロウ
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第四幕その二
「いるというのは本当かってね」
「詠われているんだ」
「本当にいるかどうか噂になっていたんだ」
「そうだったの」
「辺境の方で」
当時の朝廷つまり日本の政府から見てです。
「わからないって感覚だったんだよ」
「福島県でそうなんだ」
「じゃあもうこの山形県なんてね」
「日本じゃなかったんだ」
「蝦夷と言われる人がいてね」
当時の東北はです。
「この人達を平定してだよ」
「日本に組み入れたんだ」
「この辺りは」
「そうだったんだ」
「最初から日本じゃなかったんだ」
「そうだったの」
「国と呼べるものではなかったんだ」
当時の東北はです。
「言うなら沢山の部族が暮らしている」
「そうした場所だったんだ」
「当時の東北は」
「日本じゃなかったんだね」
「まだそうだったの」
「それで坂上田村麻呂さんが平定したしね」
そうしたこともあったというのです。
「八幡太郎さんも活躍したりして」
「そうして日本になったんだ」
「東北は」
「長い時間をかけて」
「そうして平安時代末期には奥州藤原氏が勢力を持ったんだ」
先生はこのお話もしました。
「そうなったんだ」
「ああ、義経さんを匿った」
「それで頼朝さんとも対立した」
「あの人達ね」
「三代に渡って欧州を掌握していたんだ、けれど頼朝さんに滅ぼされて」
そうなってというのです。
「幕府の勢力圏になって」
「そうしてなんだ」
「完全に日本になったんだ」
「この辺りは」
「そうなんだ、それで長い間辺境という感覚でね」
鎌倉幕府の時代になってもというのです。
「寒いこともあって人が少なかったんだ」
「それでこの大鳥池もなんだ」
「周りに人が少なくて」
「それで山の中に囲まれていて」
「周りも木ばかりでなんだ」
「タキタロウも見られなかったんだね」
「そうなんだ、だから長い間幻の魚と呼ばれていて」
そうなっていてというのです。
「存在していることは間違いなくてもね」
「まだよくわかっていないんだ」
「その種類さえも」
「そうなのね」
「そうなんだ、それじゃあ今からね」
先生は皆にあらためて言いました。
「調査をしようか」
「うん、それじゃあね」
「そうしようね」
「今からね」
「はじめよう」
皆も頷いてでした。
そのうえで先生は皆と一緒にまずは湖の周りを歩いていきます、その岸辺を歩いているとでした。
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