ハッピークローバー
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第四十九話 ラフな格好をその九
「言うまでもないですよね、お友達も大勢いるし」
「友達ね」
「いたら嬉しいですよね」
「そうね、ただね」
「ただ?」
「友達って永遠じゃないのよね」
先輩はここで遠い目になってかな恵に話した。
「どうしても」
「別れですか」
「どっちかが引っ越したりもするでしょ」
「それで疎遠になったり」
「あと死ぬこともあるから」
それでというのだ。
「ずっと友達でいたかったのに」
「お別れですか」
「そうなると」
その時はというのだ。
「悲しいわよ」
「幸せだったのが」
「そうもなることもね」
「あるんですね」
「確かにお友達もいたらね」
これまで話したことに加えてというのだ。
「さらに幸せだけれど」
「その幸せはですね」
「なくなることもね」
そうなる場合もというのだ。
「あるのよ」
「それお友達だけじゃないですね」
かな恵は麺を茹でる用意に入りつつ先輩に応えた。
「やっぱり」
「ええ、家庭も健康もね」
「全部ですね」
「阪神だってね」
このチームもというのだ。
「急に主力の人達が怪我をして」
「離脱したら」
「大変でしょ」
「今の人達も何人もとなると」
「そうよ」
そうなると、というのだ。
「もうね」
「阪神でも危ういですね」
「怪我しない」
このことはというのだ。
「かなり大事よ」
「どんな凄い選手でもずっと活躍出来ないと」
「さもないとね」
「駄目ですね」
「阪神でも主力の人達が怪我をしないで」
そうしてというのだ。
「シーズン中ずっと活躍出来たら」
「それが一番ですね」
「それが出来ないと」
先輩はキムチ以外のトッピングの用意もしつつ話した、そちらのことも手早く包丁を使って進めている。
「チームとしてね」
「駄目ですね」
「怪我人が少ないことは」
スポーツではどうしても出るがだ。
「それだけでよ」
「強みですね」
「主力がどんどん怪我するチームなんて」
そして離脱していくならというのだ。
「本当の意味で強いか」
「そうじゃないですね」
「そして本当にいい選手はね」
「怪我しないですね」
「サッカーでもそうだしね」
先輩はイタリア人なので母国で盛んなスポーツの名前も出して話したのだ。
「野球だってでしょ」
「今の主力選手が何人か怪我したら」
かな恵は阪神の看板選手達を脳裏に思い浮かべて答えた。
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