ハッピークローバー
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第四十九話 ラフな格好をその七
「どうしてもよくならないですからね」
「それでよ」
「更正なんかしなくて」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「一時ましになったらまだいい方で」
「ずっと全く治らない場合もですね」
「あってね」
それでというのだ。
「その旦那はね」
「まさにそれですね」
「そもそも神様自体信じてなくて」
「無神論ですか」
「イタリアにもこんな人いるのよ」
カトリックが強い国だがというのだ。
「それでね」
「暴れ続けたんですね」
「神父さんが説得に来ても怒鳴ってね」
「だからもう離婚して」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「終わったのよ」
「そうですか」
「そうしたこともね」
「あったんですね」
「そうよ、今その娘お母さんとね」
その人と、というのだ。
「幸せに暮らしてるわ。片親で大変らしいけれど」
「そんな父親と一緒にいるよりずっとましですね」
「それで父親は学校でも揉めごとばかり起こして」
「クビですか」
「そうなって生活保護騙し取ってね」
「それも最低ですね」
「暮らしていたけれど酔って海に落ちて」
そうなってというのだ。
「死んだらしいわ」
「自業自得ですね」
「そうよね、本当に親御さんがいいと」
「それだけで、ですね」
「幸せよ」
「家庭が平和ですから」
「そうよ、お金のあるなしじゃなくて」
「いいお家かどうか」
かな恵はキムチを切り終えてまな板と包丁を洗いながら述べた。
「それがですね」
「大事ってことよ」
「そういうことですね」
先輩の言葉に頷いて述べた。
「やっぱり」
「お金があってもね」
それでもと言うのだった、先輩も。
「そんな親だとね」
「絶対に不幸ですね」
「まあお金がなくて」
「そんな親だったらもっとですね」
「お金があったらそれに越したことはないわ」
「それも現実ですね」
「けれどあってもね」
例えそうでもというのだ。
「親が酷いとね」
「それだけで不幸ですね」
「そうよ、ちゃんとした家庭にいられたら」
それならというのだ。
「本当にね」
「それだけで幸せなことですね」
「そうよ、人生って結局お金よりもね」
「環境ですか」
「それで幸せになるってね」
その様にというのだ。
「私その娘のお家見てわかったわ」
「そうなんですね」
「親が人間の屑だと」
そう言うしかない輩ならというのだ。
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